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62話 ページ24
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ごく普通の家庭で育ってきたと思う。父も母も優しくて。一人っ子の私も寂しいと感じないくらいに可愛がってくれた。
特にお母さんは、いつでも私の味方をしてくれて、幼稚園や小学校で友達と喧嘩をして泣いて帰ってきた私を抱きしめてくれた。
『Aにはお母さんがついているから、きっと仲直りできるよ。』
そう言って頭を撫でてくれる優しい掌が大好きだった。
だけど、その掌が嫌いになったのは、私が高校生になった時期だった。突然、父親がお母さんと私を残して家を出て行ってしまった。子供の私からしても仲のいい夫婦だと思っていたから、何が起こったのかわからないまま、ただ毎日涙を流し続けるお母さんを見守ることしかできなかった。
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作者名:さわだ | 作成日時:2019年5月20日 19時