【A3!】ワケありJKと裏表サラリーマン【茅ヶ崎至】０２ (ページ13)

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５１話ページ13

なんで俺が泣いてるんだろう。「命の恩人」なんて俺なんかに相応しくないのに。Aが泣きそうな顔をするから、いつの間にか俺の方が涙を流していた。

…マジでダサいな、俺。

はー…とため息をついて涙を拭う。女子高生の前で醜態を晒すというあまりの恥ずかしさに両手で顔を覆っていたら、Aは距離を詰めて、俺のすぐ隣にきてくれた。

「ちゃんと、話します。今すぐは無理だけど、至さんには必ず話しますから…」

「……いや、無理はしなくていいよ。俺も無理やり聞こうとは思わないからさ。」

「知ってほしいんです。私がどんな子供で、どういう風に育ってきたか。」

「…え、なに生い立ち？」

「あははっ、そうですね。その時が来たら昔話でもしましょうか！」

「楽しみだなあ…」

今みたいに、Aが昔のことを笑い飛ばせるようになるまで待つよ。ちゃんと、待つから。

「…いなくなったり、しないでね。」

「っ…はい、約束です！」

細い小指に自分の指を絡ませて、俺たちは小さな声で指切りげんまんを唱えた。

誰も知らない二人だけの約束。