【wrwrd!】新しいノートの (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:474 hit

Ⅱ ページ2

とりあえず起き上がって、辺りを見回してみる。

最初に見えた天蓋もさながら、割と高級そうな家具が並んでいる。
私ってお姫様だっけ？とすら思えた。

少しの空白の後、ドアの開く音。

その方を見やると、紅い帽子に深緑の衣装を纏った端正な顔立ちの、男性･･･おそらく男性、が部屋に入ってくるところだった。

その人はこちらを見ると微笑んで、
「A、起きとったんやな」
と言った。

･･･この人は、なぜ私の名前を知っているんだろう。

そこで私は、自分が今まで何をしていたか、どこにいたのか、全く思い出せないことに気がついた。

いや逆にどうして目が覚めた時に気づかなかったんだろう。私って阿呆なのかもしれない。

「･･･やっぱり、何も思い出せない？」

「えっ」

目の前の人の問いかけに、掠れた声が出た。

この人はもしかしたら、私のこと、目が覚める前のこと、知っているんじゃないか。

･･･何か訊いてみよう。