episode２３ ページ47
今週に入って、もう五日目の金曜日。
俺は和真に、どうしても今日まで言わなきゃいけない事があった。
どうしても和真に伝えたい事があった。
どうしても、和真に会いたかった。
────どうせ今日も、学校に来てないんだろうな。
半ば諦めながら部室を出た俺は、重い足取りで学校の中へと入る。
はあ、と溜息を吐きながら階段を登り、和真のクラスである5組の教室の前を通ろうとした────その時。
「和真！」
「やっと来たかよ！和真！」
俺の耳に届いた「和真」の名前に、俺は動かしていた足をピタリと止める。
白布「…和真？」
耳に届いた名前を呟くように言えば、俺は慌てて5組の後ろ扉へと駆け寄った。
5組の教室の中を覗き込めば、窓際に生徒の群れが出来ている。
目を細めてその群れを見てみれば、その群れのある場所は和真の席。
今度は腕で目元をごしごしと拭き、目を凝らしてよく見てみれば、一瞬、目を細めて笑う和真の横顔が見えた。
そして、「好きだから許して！」と、和真がよく言う台詞が耳へと届いた。
間違いない。
今のは和真の声だ。
間違いない。
あの横顔は和真だ。
白布「和真…」
小さな声で和真を呼びながら、右足を教室の中に踏み入れた。
今度は左足も教室の中に踏み入れて、ゆっくり、ゆっくりと和真の席に近付く。
和真の存在に気付いた女子生徒が、「美濃くん！」と声を上げながら俺の横を駆け足で通り過ぎ、その生徒達の群れへ紛れ込んだ。
間違いない。
和真がそこにいる。
ようやく生徒達の群れへ辿り着いた俺は、「和真」と低い声で呼んだ。
すると、席を囲むように群がっていた生徒達はいっせいに俺へと振り返り、生徒達の間からひょこっと和真の顔が見えた。
『……賢二郎』
頭を傾け、群がる生徒達の間から俺を覗く和真。
会うのはついこの間、職員室で和真と喧嘩した以来だ。
やはり、前よりも痩せた────いや、やつれたように見える和真。
目の下に薄らとクマが出来ているのは、きちんと眠れていない証拠だろう。
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星 - 磯野さんの作品好きすぎて何回も何回も読んでます！更新楽しみに待ってます！ (7月3日 20時) (
レス) @page49 id: 9063271731 (このIDを非表示/違反報告)
尚(プロフ) - いつでもいい。待ってます。2人の幸せを繋いでください。 (6月26日 1時) (レス) @page49 id: 271ac13c56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - 磯野さんの作品大好きです！！白布くん推しなのでほんと最高です！！更新すごく楽しみですが磯野さんのペースで頑張ってください！ (2022年9月17日 20時) (レス) id: fc31c82ef2 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 彩都さん» こんにちは、彩都様！この度もコメントありがとうございます。いつも読んでくださりまして、とても嬉しいです！これからも宜しくお願い致します！ (2022年8月25日 14時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - 続編，おめでとうございます！！これからの展開がとても気になります！磯野様のペースで更新してください！応援しています！(*´꒳`*) (2022年8月24日 20時) (レス) @page4 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2022年8月24日 20時
