episode22 ページ45
工は俺の肩を掴むと、再び俺の体をベッドの上に倒した。
そして、工の右手が俺の頬を包むと、工の方へと顔を向かされた。
至近距離にある、工の顔。
俺と同じく、工の睫毛も長くて綺麗。
パッツンの前髪が気になるけれど、工は決して不細工な顔はしていない。
どちらかと言えば、親しみやすい顔をしている。
五色「……和真」
『ん?』
五色「バスケ、辞めないで」
『……ごめんな』
五色「俺が和真を守るから。だから…」
『しーっ』
俺は工の唇に人差し指を触れさせると、工の言葉を途中で遮った。
『この話はもう終わり。楽しい話をしようぜ』
五色「………」
工は唇を閉じると、納得がいかないという顔で俺を見つめた。
俺は工の顔を見ると、フッと短く息を吐く。
そして、普段と変わらないような、ヘラヘラした顔を向けながら言った。
『賢二郎の可愛いところ、お互い100個言い合おうぜ』
五色「ちっとも楽しくねぇじゃん、そのゲーム!」
『は?賢二郎の可愛いところ100個言い合うのなんて、どんな遊びよりも楽しいに決まってんだろ…!盛り上がるだろ!!早く言えバカヤロ!』
五色「………白布さんの可愛いところ、……身長」
『短パン履いた時の太もも』
五色「ムカつく!!!このゲームやだ!!」
『ちゅーねだる時に、んまんまって唇動かすところ』
五色「うがあああ!!妬ける!妬けるぅ!」
『べろちゅーした時に勝手に動いてる腰と無意識に俺に押し付けてるち…』
五色「和真なんて大嫌いだァァー!!」
『ハッハッハ!ごめんて!ちょ、暴れんな!』
飛び起きた工は枕を掴むと、俺に向けてばふんっばふんっと叩き付ける。
俺は両腕で防御をしながら、ゲラゲラと笑い転げた。
────工。
────心配かけてごめんな。
────泣かせて、ごめん。
────俺の事、ずっとかっこいいと思ってくれていて、ありがとう。
────俺も、バレーしてる工はかっこいいと思うよ。
────でもごめん。
────どんなに工が泣いても。
────どんなに工が「バスケ辞めないで」と言っても。
────俺には、バスケを辞める選択肢以外、見つからない。
To be continued
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星 - 磯野さんの作品好きすぎて何回も何回も読んでます!更新楽しみに待ってます! (7月3日 20時) (レス) @page49 id: 9063271731 (このIDを非表示/違反報告)
尚(プロフ) - いつでもいい。待ってます。2人の幸せを繋いでください。 (6月26日 1時) (レス) @page49 id: 271ac13c56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - 磯野さんの作品大好きです!!白布くん推しなのでほんと最高です!!更新すごく楽しみですが磯野さんのペースで頑張ってください! (2022年9月17日 20時) (レス) id: fc31c82ef2 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 彩都さん» こんにちは、彩都様!この度もコメントありがとうございます。いつも読んでくださりまして、とても嬉しいです!これからも宜しくお願い致します! (2022年8月25日 14時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - 続編,おめでとうございます!!これからの展開がとても気になります!磯野様のペースで更新してください!応援しています!(*´꒳`*) (2022年8月24日 20時) (レス) @page4 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2022年8月24日 20時