episode２２ ページ43
ああ、そうか。
工なりに俺を気遣って、俺を楽しませようと、俺を笑わせようとしてくれているんだ。
だから「ゲームをしよう」と誘ってくれたんだ。
目の周りを真っ赤に染めている工を見つめていれば、俺は胸をぎゅっと締め付けられて。
工なりに、俺を笑わせようとしているのが分かって。
『ほんっと…俺って工に愛されてるよな』
ぼそ、と呟いて小さく笑みを浮かべた俺は、工に向けて両腕を広げた。
『工、ぎゅーしたい』
俺の言葉を聞いた工はぽかんと口を開いて驚いた表情を俺に向ける。
セッティングしていたゲーム機から手を離した工は、ぽかんと開いた口を閉じると、床を蹴り上げてベッドの上に飛び乗った。
そして、
五色「和真…っ！」
工も両腕を広げては、俺の体にガバッと抱き着き、そのまま俺の体をベッドの上に押し倒す。
ぎゅうう、と腕に力を込めて俺に抱きつく工を、俺も腕に力を込めて抱き締めた。
五色「父さんと母さんが…っ、和真に…和真にひどい事を言って…、ごめん…っ、ごめん」
『なんで工が謝るんだよ。工は悪くねぇし、工の父さんと母さんも悪くねぇよ』
五色「だって…、あいつらが…和真を遠いところに…っ」
『バカ。親のことをあいつらって言うのやめろ』
右手でコツンと工の額を小突けば、工は「ごめん」と言いながら俺の胸に顔を埋めた。
五色「……行かないで、遠いところ」
『俺も行きたくない。だから一人暮らしをしようって決めたんだ』
五色「バスケも…やめて欲しくねぇよ…」
『……バスケをしながら一人暮らしは、…無理だ』
工は俺の胸からゆっくりと顔を上げると、眉を八の字に垂らしながら俺を見つめる。
『工。俺、バスケは辞めるけど、でも、決してバスケが嫌いになったわけじゃねぇから。今辞めたとしても、今後、また出来るかもしれねぇし。俺が高校を卒業して、社会人になって…お金が貯まって、生活に余裕ができたら、バスケのクラブチームに入ってまたバスケ出来るしさ』
五色「でも俺は…俺は今、和真にバスケしてもらいたい…」
『ほんっとお前は俺がバスケする姿見るの好きだよな』
五色「当たり前だろ！お前は分からないかもしれないけど、和真のバスケしてる姿はすげぇかっけぇーんだぞ！！」
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星 - 磯野さんの作品好きすぎて何回も何回も読んでます！更新楽しみに待ってます！ (7月3日 20時) (
レス) @page49 id: 9063271731 (このIDを非表示/違反報告)
尚(プロフ) - いつでもいい。待ってます。2人の幸せを繋いでください。 (6月26日 1時) (レス) @page49 id: 271ac13c56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - 磯野さんの作品大好きです！！白布くん推しなのでほんと最高です！！更新すごく楽しみですが磯野さんのペースで頑張ってください！ (2022年9月17日 20時) (レス) id: fc31c82ef2 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 彩都さん» こんにちは、彩都様！この度もコメントありがとうございます。いつも読んでくださりまして、とても嬉しいです！これからも宜しくお願い致します！ (2022年8月25日 14時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - 続編，おめでとうございます！！これからの展開がとても気になります！磯野様のペースで更新してください！応援しています！(*´꒳`*) (2022年8月24日 20時) (レス) @page4 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2022年8月24日 20時
