episode２０ ページ34
五色「和真？学校に来て大丈夫なのか？しんどくないか？」
眉を寄せて心配する工も、俺の元に歩み寄る。
俺はてっちゃんから受け取った退部届けを咄嗟に握り締めて隠すと、太一と工に引きつった笑みを向けた。
『わ…わりぃ、太一。連絡すんの忘れてた』
川西「忘れるなよバカヤロ…！」
『工もごめん、何も言わないで家出てきちゃった。あとで工の母さんに怒られるかな？ははっ』
五色「そりゃ怒るに決まってるだろ…！っとに、心配ばっかかけやがって…」
はあ、と肩を落として溜息を吐く工に、俺はははっと小さく声を出して笑った。
しかし、賢二郎だけは違った。
俺から目を逸らし、何かを考えるように眉間にしわを寄せている。
どうしよう。
賢二郎に退部届けを見られてしまったか？
賢二郎は鋭い。
賢二郎に隠し事をしても、すぐに見つかってしまう。
ごくり、と唾を飲み込みながら賢二郎を見つめていれば、賢二郎は眉間にしわを寄せたままゆっくりと顔を俺に向けた。
そして「和真」と低い声で俺を呼べば、一歩、また一歩と俺に歩み寄る。
静かに俺の目の前まで歩み寄った賢二郎は、目の前にしゃがんだ。
床に両膝をつけてしゃがむ賢二郎は、真剣な眼差しを俺に向け続ける。
やばい。
これは完全にバレている。
賢二郎の目が怖い。
俺の心臓がドッドッドッと震えた。
白布「お前…」
賢二郎が唇を開いた瞬間、俺はあからさまに目を逸らしてしまった。
目を逸らした俺を見た賢二郎は、眉間にグッと深いしわを刻む。
ぐんっ、と伸びた賢二郎の右腕は、俺の胸ぐらのシャツを掴み引っ張った。
川西「お、…おい賢二郎！おま、何して…」
突然の賢二郎の行動に、その場にいた太一と工は驚いたように目を大きく開かせる。
俺は額に冷や汗を滲ませ、賢二郎を見る事が出来ずに目線を下げたまま固まった。
白布「………さっきの紙見せろ」
やっぱりそうだ。
賢二郎には、隠し事は出来ない。
白布「和真。見せろ、紙」
川西「…紙？紙なんて持ってたか？」
太一は俺がてっちゃんから受け取った紙に気付いていないようで、首を傾げた。
工も気付かなかったようで、太一と同じように首を傾げる。
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星 - 磯野さんの作品好きすぎて何回も何回も読んでます！更新楽しみに待ってます！ (7月3日 20時) (
レス) @page49 id: 9063271731 (このIDを非表示/違反報告)
尚(プロフ) - いつでもいい。待ってます。2人の幸せを繋いでください。 (6月26日 1時) (レス) @page49 id: 271ac13c56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - 磯野さんの作品大好きです！！白布くん推しなのでほんと最高です！！更新すごく楽しみですが磯野さんのペースで頑張ってください！ (2022年9月17日 20時) (レス) id: fc31c82ef2 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 彩都さん» こんにちは、彩都様！この度もコメントありがとうございます。いつも読んでくださりまして、とても嬉しいです！これからも宜しくお願い致します！ (2022年8月25日 14時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - 続編，おめでとうございます！！これからの展開がとても気になります！磯野様のペースで更新してください！応援しています！(*´꒳`*) (2022年8月24日 20時) (レス) @page4 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2022年8月24日 20時
