検索窓
今日:11 hit、昨日:13 hit、合計:9,853 hit

episode2 ページ10

(男主side)




『ばあちゃーん!ただいまー!ばあちゃん!』




婆ちゃんに俺が帰ってきた事を伝えるように玄関の扉を豪快に開ける。




靴を脱ぎ散らかしたまま廊下をドスドスと音を立てながら歩く。




廊下にテレビの音が響いている事から、きっと婆ちゃんはいつもの居間に居るのだろう。




『婆ちゃん、ただいま!』




襖をスパァンッと開き、普段と同じ大きな声で叫べば、そこには────




「おやまぁ、帰ったんかい、和真」




普段と変わらない婆ちゃんが柏餅を食べていた。




俺は婆ちゃんの姿を確認して、ようやく安心する。




婆ちゃんはもう随分と年齢を重ねた高齢者だ。




足も目も耳も弱くなっているし、いつ倒れてもおかしくない身体をしている。




学校に行ってる時も、部活をしている時も、遊びに行っている時も、正直婆ちゃんの事は心配だ。




だからこうして、婆ちゃんの姿を自分の目で確認してこそ、ようやく安心出来るんだ。




『婆ちゃん、飯作るから柏餅おしまいな』


「ご飯はまだ食べてなかったのかい?てっきり賢二郎ちゃんと食べてくるかと思ってたんだがねぇ」


『賢二郎は寮の飯食うって。あそこ門限あるから夜遅くまで出歩いちゃだめなんだ』


「あらあら、寮のご飯は美味しいのかねぇ」


『さあ?』




テーブルの上に置いてある柏餅を取り上げると、俺は台所へと向かった。




『婆ちゃーん、かぼちゃの煮物でいい?』




家に帰ったら俺と婆ちゃんは二人きり。




家事をするのは、ほぼ俺だ。




でも、嫌とは思わない。




家事をするのは面白いし、楽しいし、何よりも婆ちゃんのためになる。




腰にエプロンを巻き付けて台所に立つと、俺は普段と変わらず夕食作りを始めた。




そう、「普段と変わらず」と思っていた。




誰も想像なんてつかないだろう。




────これから悲劇が起こること、を。




to be continued

episode3→←episode2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 5.7/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
38人がお気に入り
設定タグ:白布賢二郎 , ハイキュー , HQ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

連斗 - 磯野さん!退院おめでとうございます!この作品の投稿!ずっと待ってました!これからも応援させていただきます!無理なく頑張ってください! (2022年10月22日 21時) (レス) id: c0be3ab978 (このIDを非表示/違反報告)
バナナくん(プロフ) - 磯野さんだ〜!!まず退院おめでとうございます!久しぶりに占ツク開いてみたら通知欄に磯野さんの名前があってめっっっっちゃ嬉しかったです!今後も自分のペースで頑張ってください! (2022年9月2日 1時) (レス) @page48 id: 5cd13d94ad (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 彩都さん» 彩都様、ご無沙汰しています!いつもいつも私の作品に目を通して下さりましてありがとうございます!今回はこの時間帯に更新します、とご報告出来ませんがなるだけ毎日更新致しますね。よろしくお願い致します! (2022年8月20日 0時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - おかえりなさい!退院?おめでとうございます!待ってました!磯野様のペースで更新してください!楽しみにしています! (2022年8月20日 0時) (レス) @page10 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ゆぅさん» ゆぅ様、大変長らくお待たせ致しました。随時更新していきますので、よろしくお願い致します! (2022年8月19日 23時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:磯野 | 作成日時:2022年8月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。