episode10 ページ37
そして────
白布「今日、なんでこのタイミングで父さんと母さんに、俺が和真と付き合っていることを言ったかというと……和真のおばあさんが……亡くなったんだ」
父さんと母さんの目が大きく開く。
白布「和真は今、五色の家にいるんだ。五色は明後日くらいから学校にくるらしいけど……和真は家の事があるし、葬式の事もあるし、…それに……」
「和真くん、今後住む家は決まったの?」
俺は頭を左右に振るう。
白布「まだだと思う。今は葬式のことで、バタバタしてると思うから。でも、…きっと和真は今後、自分がどうなるか、すごく心配なんだと思う。夜に電話で少しだけ話したんだけど……今後、どうなるのかなって言ってた。不安がってた」
母さんは「心配ね」と小声で言う。
白布「俺、どうしても和真を幸せにしたい。これ以上、不幸にさせたくない。なあ父さん、母さん…俺、なにか和真にできることないのかな。俺、分かんなくて。何も出来ない自分が嫌で……悔しくて、苦しくて」
俺は頭を俯かせた。
白布「俺……こんなにも和真のことが好きで、大好きで…頭おかしくなるくらい好きなのに……俺、気付いてやれなかった……和真の助けに、気付いて……やれなかったんだ」
「どういうこと?」
白布「明け方4時半くらいに、和真、喉乾いて台所に行ったら…おばあさんが台所に倒れてたみたいで。すぐに救急車を呼んだらしいんだけど。あいつ、めちゃくちゃ不安で、怖かったらしくて。俺に助けてって…電話いっぱいくれてたのに……俺、スマホ、マナーモードにしてて…全然気付かなくて……悔しくて…」
いつの間にか溜まった涙は溢れ出し、ぽた、ぽた、とダイニングテーブルの上に滴り落ちる。
白布「目の前で家族が倒れてたら…怖いじゃん。不安じゃん。しかも、あの家にはおばあさんと和真以外誰もいないし……きっと、すごく怖かったと思う。体が動かなかったと思う。その時にあいつ、俺にたくさん電話かけてきて、助けを求めたのに……俺のバカ…なんで気づかなかったんだよ……すげぇ、後悔してるんだ」
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連斗 - 磯野さん!退院おめでとうございます!この作品の投稿!ずっと待ってました!これからも応援させていただきます!無理なく頑張ってください! (2022年10月22日 21時) (レス) id: c0be3ab978 (このIDを非表示/違反報告)
バナナくん(プロフ) - 磯野さんだ〜!!まず退院おめでとうございます!久しぶりに占ツク開いてみたら通知欄に磯野さんの名前があってめっっっっちゃ嬉しかったです!今後も自分のペースで頑張ってください! (2022年9月2日 1時) (レス) @page48 id: 5cd13d94ad (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 彩都さん» 彩都様、ご無沙汰しています!いつもいつも私の作品に目を通して下さりましてありがとうございます!今回はこの時間帯に更新します、とご報告出来ませんがなるだけ毎日更新致しますね。よろしくお願い致します! (2022年8月20日 0時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - おかえりなさい!退院?おめでとうございます!待ってました!磯野様のペースで更新してください!楽しみにしています! (2022年8月20日 0時) (レス) @page10 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ゆぅさん» ゆぅ様、大変長らくお待たせ致しました。随時更新していきますので、よろしくお願い致します! (2022年8月19日 23時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2022年8月19日 21時