episode１０ ページ35
再びゴクリと唾を飲み込んだ俺は、意を決すると小さな声で「父さん」と呼んだ。
白布「俺………あの、…す、好きな人が…いて」
「さっき聞いた」
白布「…お、驚かないで欲しいんだけど」
「ん？」
白布「……俺さ」
────どうか、否定しないで。
白布「俺……その、付き合ってる人が」
────お願い、分かって。
白布「………男の人なんだ」
声を裏返しながら、言い放った。
ダイニングテーブルの上を見つめながら言い放ち、すぐに唇に歯を立てて噛み締める。
母さんは何も言わずに黙っていて、父さんは今どんな顔をしているのか分からない。
ソファに座っている兄貴は俺の声を聞きながらアイスを食べ終え、棒をゴミ箱に投げ捨てると、さり気なくテレビの音量を低くした。
ドッドッドッ。
怖い。
ドッドッドッ。
なんて言われるかな。
ドッドッドッ。
否定されたらどうしよう。
ドッドッドッ。
怖すぎて、緊張しすぎて、口から心臓が出てしまいそうだ。
膝の上に乗せた手でぎゅっと握り拳を作れば、父さんは「なるほど」と言いながら缶ビールを持ち上げる。
コップにビールをつがずに、缶ビールを直で飲む父さん。
俺は知っている。
父さんが缶ビールに直接口をつけて飲む時は、真剣な時だって。
今、父さんは俺の話をきちんと聞いてくれて、真剣に受け止めてくれたのだろう。
恐る恐る目線を上げて、缶ビールに直接口をつけて飲む父さんを見つめた。
「……で、本気なのか。賢二郎は」
白布「本気だよ」
「どうして男の人と付き合うことになったんだ」
白布「どうして……って聞かれても。俺、今まで誰かに恋したことなくて。最初は気づかなかったけど…いつの間にか好きになってて…大好きになってて……この前、ちゃんと告白しあって、…付き合うことになった」
「賢二郎、男の人と付き合うってこと、ちゃんと分かってるのか？」
白布「分かってるよ！いや、分からなかったからちゃんと調べた！学校の図書室で同性愛について調べたし、市民図書館に行って本を借りたり…自分なりに調べたよ」
「結婚も出来ないし、子供も出来ないんだぞ」
白布「だから分かってるって。それも調べたからちゃんと分かってる。けど……好きなんだ、大好きなんだ。どうしても……俺、和真じゃなきゃダメで」
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連斗 - 磯野さん！退院おめでとうございます！この作品の投稿！ずっと待ってました！これからも応援させていただきます！無理なく頑張ってください！ (2022年10月22日 21時) (
レス) id: c0be3ab978 (このIDを非表示/違反報告)
バナナくん(プロフ) - 磯野さんだ〜！！まず退院おめでとうございます！久しぶりに占ツク開いてみたら通知欄に磯野さんの名前があってめっっっっちゃ嬉しかったです！今後も自分のペースで頑張ってください！ (2022年9月2日 1時) (レス) @page48 id: 5cd13d94ad (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 彩都さん» 彩都様、ご無沙汰しています！いつもいつも私の作品に目を通して下さりましてありがとうございます！今回はこの時間帯に更新します、とご報告出来ませんがなるだけ毎日更新致しますね。よろしくお願い致します！ (2022年8月20日 0時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - おかえりなさい！退院？おめでとうございます！待ってました！磯野様のペースで更新してください！楽しみにしています！ (2022年8月20日 0時) (レス) @page10 id: 11dbb3cd4a (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ゆぅさん» ゆぅ様、大変長らくお待たせ致しました。随時更新していきますので、よろしくお願い致します！ (2022年8月19日 23時) (レス) id: 017e5977a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2022年8月19日 21時
