【HQ／男主】この瞬間を誰よりも幸せに。３【白布 賢二郎】【リクエスト作品】

episode 17 ページ26

『俺の気持ち気付いてるのかなぁー…気付いてないかなぁー…いやあ賢二郎って意外と鈍いから気付いてないだろうなぁー…と思ってたらやっぱり気付いてなかったな』


白布「……恋してる、って…」


『うん……賢二郎に、恋愛感情持ってる』


白布「は…」


『しかも、去年から』


白布「きょ…ッ！」


『なのに、気づいてない賢二郎、マジでニブチン』




ぱくぱくと口を開閉させていれば、和真は右手で顔を覆いながら溜息を吐く。




気付くわけねぇだろ。




いや、気付いてたのか？




いやいや、気付いてない。




だって、普段からヘラヘラしててバカな和真だ。




確かにこいつは俺に毎日のように「大好き」だと言ってくるけど、俺以外の人にも「好き」って言ってるじゃん。




絶対気付かない。




そんなの、分かるはずがない。




『一応これでも、俺なりに全力アピールしてきたんですけど…分かりませんでしたか、賢二郎さん』


白布「分かんなかった」


『抱き締められたのも、キスしたのも、すごく嬉しかったし幸せだったんですけど』


白布「そ！それは俺……あッ！？」


『えっ！？』




思わず「俺も」と言ってしまいそうになり、慌てて「あッ！？」と言えば、和真は驚いたように口元を引き攣らせながら「えっ！？」と言う。




白布「な…なんでもない」


『その……うん。あれだよ。好きなんです。大好きなんだ。本当に…賢二郎のことが』




上手く言い返す言葉が見つからなくて、俺はあからさまに顔を逸らしてしまった。




そんな俺の様子に、和真は「えーとぉ」と言いながら慌てたように身振り手振りを加えながら言う。




『べ……別に今答えが欲しいとか…！そういうわけじゃねぇから。その……俺は賢二郎のことが好きだから、…だからやっぱり、付き合いたい…とか、恋人になりたいとか思う…けど、賢二郎がそういうの考えられないって思うなら、無理して答えなくていい、…よ』




慌てながら言う和真の言葉を聞いてはいるものの、俺はどうしても顔を上げる事が出来ない。





→

episode 17→←episode 17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す