【ヒロアカ／合作作品】想われ振られ。２【男主】【轟：爆豪】 (ページ12)

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そして、遊園地の時に見た、あの優しさ溢れる笑顔で振り返った轟君は、言った。

「俺からも、頼みがある」

「へ……？」

マヌケな声で返事をすれば、轟君はしっかりと僕に体を向けて、こう言った。

「また一緒に遊園地に行ってくれるか、男主」

君の言葉はやっぱり、僕に笑顔をくれる。

君の言葉はすぐに、僕を嬉しくさせる。

『遊園地に行こう』と誘ってくれた君の言葉が、どれだけ僕を安心させてくれただろうか。

腹の底から溢れる安心感と、喜び。

目尻に溢れる嬉し涙を腕で拭いながら、僕は大きく頷いた。

「行こう！焦凍！」

僕の満面な笑みを見た焦凍は、小さな笑みを浮かべたまま頷くと、ひらりと片手を振り、再び僕に背中を向けた。

僕も片手を挙げ、ひらひらと顔の横で手を振りながら焦凍を見送る。

公園から焦凍の姿が消えても、僕は手を振り続けた。

そこに焦凍の姿は無いのに、手を振り続けた。

「男主」

背後で勝己が、僕を呼ぶ。

「間違ってねえから」

普段の荒い勝己の言葉とは違い、落ち着きのある優しい勝己の声が耳へ届く。

「お前は何も、悪くねえから」

振り続けていた手を止めた僕は、その手から力が抜けたように下ろした。

顔を伏せ、肩を震わせていれば、今度は勝己の手が僕の頭に乗った。

「頑張ったな」

不器用なりに僕を慰めてくれる勝己の言葉に、涙が止まらない。

僕はこれで、間違っていないんだよね。

これが、正解なんだよね。

「勝己…」

縋るように勝己の服をギュッと握り締め、涙で汚れた顔を勝己に向けて言う。

「焦凍、泣いてたよ…」

「知ってる」

「僕のせい、…かな」

「違ぇ」

「焦凍、僕の事嫌いに…」

「なるわけねえだろ」

グイと頭を引き寄せられ、勝己の胸に抱き寄せられた。

「お前を嫌いになる奴なんて、この世にいるかっつーの」

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