STORY 9-3 ページ39
そう生徒達は口々に言いながら走り出し、俺も地面を蹴り上げて走り出した。
このグラウンドは一周、何キロぐらいあるだろうか。
結構、広いようにも見える。
でも、今は距離を競い合うわけではない。
何周したか、回数を競い合うんだ。
走り出したみんな／の間をすり抜けていれば、ハァハァと短く息を切らした棗／の後ろ姿を発見した。
棗が地面を蹴り上げる度に、棗／の癖毛がふわふわと揺れる。
コイツ、ブツブツと文句を言いながらもちゃんと走ってんじゃねえか。
でも、遅い。
お前なんて、すぐに抜かしてやる。
地面を強く蹴り上げた俺は、棗を追いかけるように加速した。
そして、棗と距離が縮まれば、俺は片方／の腕を伸ばして棗／の肩を背後から掴んだ。
『え』
突然肩を掴まれ、驚いたような棗／の声が聞こえる。
棗／の／耳元に顔を寄せると、棗にしか聞こえないように、耳元で小さく呟いた。
爆豪「おっせ」
それだけを呟くと棗／の肩から手を離し、スッと静かに棗／の隣を横切った。
そして、先頭に出た俺は、足を動かすスピードを更に加速させ、みんなと距離をぐんぐんと引き離していく。
こんなの、楽勝すぎる。
みんなと差をつけて終わらせてやろう────と、思ったその時。
『遅くねえしいいいいいい！！！』
背後から聞こえる声と、大きな足音。
振り返れば、後方からものすごい勢いで走ってくる棗の姿が。
あまりの勢いで、地面から砂埃が宙を舞っている。
爆豪「クソザコ…ッ！」
『うおりゃぁぁあああ！！抜かすぜ爆豪ォォオオ！！』
そう雄叫びを上げながら俺／の横をものすごいスピードで走り抜く棗を見ては、俺も地面を強く蹴り上げて飛び出した。
爆豪「ンのクソザコがァァアッ！！生意気に俺を抜かしてんじゃねえええ！！！」
「うおおおおお！！！」と叫ぶ棗と、「死ねぇぇえええッ！！」と叫ぶ俺。
そんな俺と棗を、ポカンと口を開きながら走る他の生徒達。
グラウンドは俺と棗が作った砂埃で溢れ返った。
_______________
To be continued
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星野彼方(プロフ) - 百票目は俺がもらったぁ！ これからも頑張って下さい (2021年3月18日 11時) (
レス) id: e6bb8eb5cf (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - 磯野さん» レスが早ええ…。もう…しゅき…。 (2018年11月28日 21時) (レス) id: a2a172a5bd (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - あ、やべ…直ってた…。(^_^;)…頑張ってください！(言い逃げ) (2018年11月28日 21時) (レス) id: a2a172a5bd (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 雪猫さん» 雪猫様、こんばんは。以前もコメントして頂きましたよね、ありがとうございます！見直した結果、修復致しました！以前に引き続き、文字化け箇所を教えて頂きましてありがとうございます！これからもどうぞ、よろしくお願い致します！ (2018年11月28日 21時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - 再びこんばんは！(*´∀`)♪夢主君の性格しゅきィ…。あ、あとまた文字化けが…ページ23,24です！毎度毎度申し訳なくなってしまう…。続きが楽しみです！(*´▽｀*) (2018年11月28日 21時) (レス) id: a2a172a5bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：磯野
| 作成日時：2018年11月19日 22時
