STORY 2-1 ページ10
【男主side】
『っしゃァ！ヒーローすっぞー！』
縦に長い扉をスパァァンッと開き、毎朝お馴染みのこの台詞を叫ぶ。
既に教室の中にいた生徒達は、俺の大きな声に驚いたかのようにビクッと肩を跳ねさせ、目を点にさせた。
『ヒーローすっぞお前ら！やる気あんのか！』
1年A組にきて数日目。
クラスメイトの名前も大分覚え、俺好みの可愛い女子生徒も見つける事が出来た。
腰に両手を添え、胸を張ってそう言えば、教室にいた生徒達は呆れたようにやれやれとした顔を向けた。
梅雨「ヒーローすっぞ、ってどういう意味よ」
上鳴「ヒーローごっこするんじゃねえか？」
切島「いやいや、俺達ヒーローごっこするためじゃなくて、ヒーローになるためにここに来てんだろ」
俺の事は完全に無視をし、仲間同士で会話を始める彼等。
朝から無視なんて、ひどいよお前ら。
もっとノリにのってくれよ。
上鳴なら俺のノリについてきてくれると思ってたよ？
見込み違いかな。
『おい！お前ら！俺を無視すんじゃア゛痛ッ！！』
突然、誰かに背後から尻を蹴られては、床にべシャリと倒れ込む俺。
「いてて」と言いながら振り返れば、そこに立っていたのは朝から眉間に何本もの皺を作りあげている、爆豪勝己。
どうしたら毎日そんなに機嫌が悪くなるのだろうか。
どうしたらそんなに眉間にたくさんの皺を作る事が出来るのだろうか。
もしかしたら、眉間に皺を作る事が、彼のもうひとつの個性だったりして。
爆豪「邪魔だ、クソが」
『おはよう、爆豪』
爆豪「うるせえ、喋んな、見んな、帰って死ね」
『し、死ね！？』
「ケッ」と言いながら俺を睨み付ける爆豪は、俺が持ってきた鞄を踏み付けてから通り過ぎる。
くっきりと俺の茶色の鞄に残った、爆豪の靴の跡。
「ごめん」の一言も無い、爆豪の背中を見つめる。
コノヤロウ、人としてどうかと思うぞ爆豪勝己。
俺を蹴り飛ばした挙句、鞄を踏み付けて謝罪もしないだなんて。
『…ンノヤロ！』
自分の席に向かう爆豪を、床を這って背後から追いかければ、俺はニヤリと口角を上げた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 292人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
磯野(プロフ) - Karasuさん» こんにちは。コメントありがとうございます！今夜も更新致しますので、お待たせしてしまいますが見て頂けましたら嬉しいです。よろしくお願い致します！ (2018年11月15日 12時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
Karasu - 毎回良いとこで終わる！！(泣)(早くみたいので)更新頑張ってください！！ (2018年11月15日 11時) (レス) id: ce467b078d (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - 磯野さん» 死柄木めっちゃ好きですww はい！楽しみにしてます！！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - らる@盃さん» こんばんは！コメントありがとうございます。らる様は死柄木がお好きなんですね？磯野は上鳴君をこよなく愛しております笑笑らる様の好みのオチにはならないと思いますが.....楽しみにして頂けたら光栄です。よろしくお願い致します！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - 続きがすごく楽しみです！更新頑張ってください！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：磯野
| 作成日時：2018年11月4日 21時
