STORY 4-3 ページ35
腕でゴシゴシと目元を擦っていれば、しゃがみ込んでいた爆豪はすくっと立ち上がった。
『どこ行くの！？』
爆豪「帰る」
『嘘だろ！？俺を置いて行くなよ！』
爆豪「あ？お前も帰れば良いだろ」
『腰が抜けたんだって！ひとりにすんな！』
爆豪「あ゛！？てめっ、離れろ…！！」
未だに腰が抜けて立てない俺は、爆豪の足に両腕を回してしがみつく。
そんな俺を振り払おうと足をぶんぶんと振る爆豪。
ギャンギャンと頭の上で吠える爆豪を無視し、爆豪の足に必死にしがみついていれば、ようやく爆豪は大人しくなった。
恐る恐る目線を上げて爆豪を見上げた瞬間、俺の頭の上にふわりと手が乗った。
それは紛れもなく、爆豪の掌。
大きくて、男らしくて、とても強い手。
俺の頭の上に乗った爆豪の掌は、俺の癖のある髪の毛を掻くようにゆっくりと動いた。
爆豪「さっきのお前の頼み」
『…え』
爆豪「考えといてやる」
爆豪の目つきの悪い目と俺の目が合えば、俺は口の両端を持ち上げ、眉を八の字に垂らしながら笑った。
『うん、よろしく』
その瞬間、今までの停電は嘘だったかのように明かりがパッとついた。
突然、電気がついたため、辺りをキョロキョロと見回していれば、額に冷えピタを貼った上鳴が姿を現した。
上鳴「お！お？お？おお？こりゃまた珍しいコンビ見っけー」
『上鳴…！お前、熱があるんだから保健室で寝とけって言っ…』
上鳴「リカバリーガールが戻ってきて冷えピタ貰ったからだいじょーぶ！つか、シャッターチャーンス！」
制服のポケットから取り出した最先端のスマホを俺と爆豪に向ける上鳴は、俺達の有無を聞かずにカメラのシャッターボタンを押した。
パシャリ、とシャッターが切れる音を聞けば、爆豪は一瞬にして鬼の形相に変わった。
爆豪「おい゛アホヅラァ！消せぇ！！」
上鳴「ケチケチすんなって、思い出じゃん？」
爆豪「こんなカスとツーショなんていらねえ！！消せええ゛ッ！！」
『ぎゃふッ！！』
足にしがみつく俺を蹴り飛ばした爆豪は、上鳴に掴みかかり、ギャンギャンと吠え始める。
「まあまあ」と言いながらヘラヘラと笑う上鳴。
そんな二人を見て、俺は小さく微笑んだ。
────俺、やっぱり。
────ヒーローに、なりたい、かも。
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磯野(プロフ) - Karasuさん» こんにちは。コメントありがとうございます！今夜も更新致しますので、お待たせしてしまいますが見て頂けましたら嬉しいです。よろしくお願い致します！ (2018年11月15日 12時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
Karasu - 毎回良いとこで終わる！！(泣)(早くみたいので)更新頑張ってください！！ (2018年11月15日 11時) (レス) id: ce467b078d (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - 磯野さん» 死柄木めっちゃ好きですww はい！楽しみにしてます！！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - らる@盃さん» こんばんは！コメントありがとうございます。らる様は死柄木がお好きなんですね？磯野は上鳴君をこよなく愛しております笑笑らる様の好みのオチにはならないと思いますが.....楽しみにして頂けたら光栄です。よろしくお願い致します！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - 続きがすごく楽しみです！更新頑張ってください！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年11月4日 21時
