STORY 4-2 ページ29
上鳴の上体を軽く起こしてやれば、口元にペットボトルを触れさせた。
上鳴の喉仏が上下にゆっくりと動く。
熱で火照った上鳴の体に冷たい飲料が染み渡れば、上鳴の顔色は徐々に良くなっていく。
『熱は？』
上鳴「さっき体温計借りて計ったんだけど、朝より大分下がった」
『朝、死んでた？』
上鳴「正直死んでた。俺、ヴィランに殺されるんじゃなくて風邪菌に殺されるところだったわ」
『はは』
上鳴の口から「ヴィラン」の文字が出ると、俺は咄嗟に目を逸らしてしまった。
再び上鳴を布団の上に寝かせては、枕元に大食堂で買ってきたゼリーを置いて立ち上がった。
『冷たいタオル持ってくる』
上鳴「体拭いてくれんの？」
『しゃーねえからな』
上鳴「介護士か」
『将来、介護士目指そうかな』
上鳴「ヒーローはどうしたよ」
『ヒーローは来世、…なーんてな』
立ち上がった俺は上鳴に背中を向けてヒラリ、と片手を振り、乾いたタオルを持って静かに保健室から出て行った。
閉めた扉を背に、俺は黙って床を見つめる。
上鳴の口から出た「ヴィラン」の言葉。
その瞬間、俺は咄嗟に目を逸らしてしまった。
上鳴は言ってたよな。
「ヴィランに殺される」って。
改めて感じる、「ヴィラン」と「ヒーロー」が敵同士であること。
そして、ここの学校にいる人達はみんな、敵である「ヴィラン」を倒したいと思っていること。
寄りかかっていた扉から背を離しては、乾いたタオルを冷たく濡らすため、水飲み場へと足を進める。
もし、俺の正体がこの学校の人達にバレてしまったら。
もし、俺が──アイツの仲間──である事を知られてしまったら。
緑谷は？
切島は？
上鳴は？
爆豪は？
────みんなは？
どう、思う？
すっかりここの生活には慣れてしまって、愛着すら湧いて、仲の良い友達も出来た。
今更俺が──アイツの仲間──だなんて言えない。
絶対に、言ってはいけない。
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磯野(プロフ) - Karasuさん» こんにちは。コメントありがとうございます！今夜も更新致しますので、お待たせしてしまいますが見て頂けましたら嬉しいです。よろしくお願い致します！ (2018年11月15日 12時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
Karasu - 毎回良いとこで終わる！！(泣)(早くみたいので)更新頑張ってください！！ (2018年11月15日 11時) (レス) id: ce467b078d (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - 磯野さん» 死柄木めっちゃ好きですww はい！楽しみにしてます！！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - らる@盃さん» こんばんは！コメントありがとうございます。らる様は死柄木がお好きなんですね？磯野は上鳴君をこよなく愛しております笑笑らる様の好みのオチにはならないと思いますが.....楽しみにして頂けたら光栄です。よろしくお願い致します！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - 続きがすごく楽しみです！更新頑張ってください！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年11月4日 21時
