STORY 2-2 ページ13
困ったように眉を八の字に垂らし、「えっとえっと…」と呟きながら黒目を左右に動かす緑谷。
なんだよ、言えねえのかよ。
やっぱり爆豪に良い所なんて無いんじゃねえの。
黙って緑谷の顔を見つめていれば、緑谷は「あ！」と言いながら人差し指を立てた。
緑谷「かっちゃんの個性、すごくかっこいいと思う」
『他は？』
緑谷「他はー…えーとぉ…つ、強い！」
『…他は？』
緑谷「うーん……素早い！」
『……個性関係ばっかりじゃん、それ』
椅子に寄りかかりながら振り返り、自分よりも後ろ側に座る爆豪を見る。
爆豪は自分の机の上に両足を乗せ、飯田の注意を受けながら切島と会話をしている。
切島も、よくあんな奴と楽しそうに会話が出来るよな。
俺には、無理。
爆豪と楽しくお喋りだなんて、考えられない。
黙って爆豪を見つめていれば、爆豪は俺の視線に気付いたのか、その目付きの悪い目を俺に向ける。
そして、離れていても聞こえるほどに、大きな音を立てて舌打ちをした爆豪は、深く眉を寄せながら声を上げた。
爆豪「見んなっつってんだろ、カス！！」
『ごっめぇーん！机の上にあんよ乗せてるお行儀の悪いオコチャマがいるなあー、と思ってつい見ちゃった』
爆豪「あァ゛！？ンだコノヤロ、テメェまた燃やされてぇのか！！」
机を蹴り飛ばした爆豪は立ち上がると、他の机をガタガタと掻き分けながら俺に近寄ってくる。
わあ、怖い怖い、また怒らせちゃった。
鬼のような顔をした爆豪が、ズンズンと俺に近付いてくる。
俺も椅子から立ち上がり、ファイティングポーズをし、戦闘態勢に入る。
そんな俺に向かって、躊躇無く近付いてくる爆豪。
爆豪が近付く度に、俺の心臓がドッドッドッと速く動く。
ヤバい、くる、…くる。
鬼のような顔をした爆豪勝己が、くる。
爆豪「クソザコォォッ！！！」
『ば、爆……………無理降参！俺の負け！！』
爆豪「ビビってんじゃねェや、カス！！」
『ヒィィ！！！』
胸ぐらを掴まれた俺は、また、頭を燃やされた。
*
上鳴「またなー！！棗！」
『ういース！』
片手を振る上鳴に、俺も片手を振り返す。
学校から一緒に下校した俺と上鳴は、上鳴の家の近くまで一緒に歩いた。
手を振り別れを告げる上鳴を見送った後、小さくなる上鳴の背中を見つめながら深く息を吐いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 292人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
磯野(プロフ) - Karasuさん» こんにちは。コメントありがとうございます！今夜も更新致しますので、お待たせしてしまいますが見て頂けましたら嬉しいです。よろしくお願い致します！ (2018年11月15日 12時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
Karasu - 毎回良いとこで終わる！！(泣)(早くみたいので)更新頑張ってください！！ (2018年11月15日 11時) (レス) id: ce467b078d (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - 磯野さん» 死柄木めっちゃ好きですww はい！楽しみにしてます！！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - らる@盃さん» こんばんは！コメントありがとうございます。らる様は死柄木がお好きなんですね？磯野は上鳴君をこよなく愛しております笑笑らる様の好みのオチにはならないと思いますが.....楽しみにして頂けたら光栄です。よろしくお願い致します！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - 続きがすごく楽しみです！更新頑張ってください！ (2018年11月7日 21時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：磯野
| 作成日時：2018年11月4日 21時
