STORY 37 ページ16
(男主side)
花火大会を明日に控えた俺。
昨晩、藤田との短い通話で、俺の決心は固まった。
朝練習の時も、昼休みも、なかなか河野と二人きりになれる時間は無かった。
同じクラスなのに、どうしてこうもタイミングが掴めないのだろうか。
時間は刻刻と過ぎていき、全ての授業が終わってしまった。
生徒達は明日の花火大会について、楽しそうに会話をしながら教室を去っていく。
「明日、絶対に遅刻すんなよ！」「着物着て行こうね！」なんて、楽しそうにはしゃぐ声が聞こえる。
帰りのホームルームが終わると、俺は自分よりも前に座る河野の席を見た。
河野は授業で使った教科書を、スポーツバッグの中に押し込んでいる。
まだ、教室いる河野。
もしかしたら、話すタイミングは今しかないのかもしれない。
椅子を引いて立ち上がった俺は、机の横にかけているバッグを肩にかけた。
そして、意を決して河野の席へ歩を進めた。
『おい』
少し震えた声で声をかければ、俺の声に気付いた河野は顔を上げた。
しかし、声の主が俺だと分かると、一瞬だけ眉を寄せ、俺から顔を逸らした。
この俺を無視するなんて、正直、ムカつく。
けれど、俺は河野と話し合いをしに来た。
喧嘩を売りに来たのではない。
ふう、と短く息を吐いてから、机の上に片手を乗せ、教科書をバッグの中に押し込む河野の顔を覗き込んだ。
『話がある』
そう言うと、河野は黒目を俺に向けた。
俺を見つめたまま、唇を動かさずに黙って俺を睨み付ける河野。
話してくれないだろうか。
嫌がるだろうか。
緊張が俺の全身を襲い、喉仏を上下に動かして唾を飲み込んだ。
すると────
「木兎さんとの事だろ」
河野の薄い唇がようやく動いた。
「俺、怒ってるんだからな」
やっぱりまだ、河野は怒っていた。
周囲は明日の花火大会の話で楽しそうに盛り上がっている中、俺と河野のいる場だけは、重い空気になっている。
「蒼井の気持ちが分からない。蒼井は今、木兎さんの事、どう思ってるんだよ」
俺の目を真っ直ぐに見つめる、河野。
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磯野(プロフ) - yu-kariさん» こんばんは。コメントありがとうございます。次のHQ小説の内容はまだ決まっていませんが、次回も読んでいただけましたら幸いです。よろしくお願いします。 (2018年10月29日 20時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - 、、、たまらん。(*´∀｀*)ﾎﾟｯ次回作楽しみ( ´Д｀)= (2018年10月29日 13時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 輝咲囚兎/ｷｻｷ ｼｭ-ﾄさん» おはようございます。コメントありがとうございます。最後まで読んで下さいまして誠にありがとうございます。これからも読者様方々におもしろいと思って頂ける作品を作っていこうと思いますので、よろしくお願いします！ (2018年10月29日 7時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
輝咲囚兎/ｷｻｷ ｼｭ-ﾄ(プロフ) - 最初から最後迄本当に楽しかったです！どちらのルートも応援していたのでとても胸がいっぱいです！ホントに素敵な作品をありがとうございます！！ (2018年10月29日 7時) (レス) id: 437cb76d7d (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - おっ、、、あっ、、、。、、、、、ぁぁぁぁあああ！、ぁぁぁぁあああ！最高ぉぉおおおお！最後まで神作ぅぅぅぅぅぅううう！ (2018年10月28日 2時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年10月21日 21時
