STORY 36 ページ14
(男主side)
藤田に俺の気持ちを全て吐き出した日の部活。
両手でバレーボールを持ち、コートの上を駆け回る木兎を目で追った。
木兎はいつも、楽しそうに笑っている。
いつも嵐みたいなテンションをしているけれど、それがみんなを楽しませてくれている。
俺が間違った事をした時は叱ってくれて、俺がピンチになった時は誰よりも早く助けてくれて。
俺をたくさん褒めてくれて、俺にたくさんスパイクの技を教えてくれる。
バレーボールが大好きで、熱い男で、図体は大きいけれど中身はまだまだ子供な木兎。
一方、赤葦はどうだろうか。
珍しく木兎とは反対側のコートで、木兎の相手チームとしてトスを上げている赤葦を見つめる。
赤葦は木兎と違って、大人しくて冷静だ。
何を考えているか分からない顔をしているけれど、赤葦はとても頭が良い。
数秒間で、物事を判断出来る。
だから2年生で部の副主将になったんだ。
それに、ハッキリと相手に自分の気持ちを伝える所も赤葦の魅力だ。
木兎に想いを寄せている俺に対して、赤葦はハッキリと俺に「好きだ」と言ってくれた。
とても、言いにくかった事だと思う。
赤葦の強い気持ちを受けて、俺は一瞬にして心が揺らいでしまった。
赤葦なら、俺をこの先もずっと好きでいてくれるのではないか。
赤葦なら、この先もずっと俺を見てくれるのではないか。
そう思ってしまった。
二人の姿を交互に見る。
二人ともそれぞれに魅力があって、それぞれとても良い人だと俺は思う。
俺なんかよりも、たくさん魅力を持っている二人。
どうしてそんな二人が俺なんかに────。
両手で持ったボールを見つめた。
そして、瞼を閉じた。
「隣にいたい、と思える人」を頭の中で想像してみる。
木兎 光太郎。
赤葦 京治。
俺が心から、隣にいたいと思えるのは────。
*
────その日の晩。
夕食と風呂を済ませた俺は、中学の時に着ていた体操着のズボンと、適当なTシャツを着て部屋に戻った。
部屋の電気をつけずに、勉強机に腰を下ろして座る。
机の上に頬杖をつき、目の前の壁に飾っている時計を見つめた。
花火大会まで、48時間を切った。
本当に俺は、これで良いのだろうか。
．
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磯野(プロフ) - yu-kariさん» こんばんは。コメントありがとうございます。次のHQ小説の内容はまだ決まっていませんが、次回も読んでいただけましたら幸いです。よろしくお願いします。 (2018年10月29日 20時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - 、、、たまらん。(*´∀｀*)ﾎﾟｯ次回作楽しみ( ´Д｀)= (2018年10月29日 13時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 輝咲囚兎/ｷｻｷ ｼｭ-ﾄさん» おはようございます。コメントありがとうございます。最後まで読んで下さいまして誠にありがとうございます。これからも読者様方々におもしろいと思って頂ける作品を作っていこうと思いますので、よろしくお願いします！ (2018年10月29日 7時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
輝咲囚兎/ｷｻｷ ｼｭ-ﾄ(プロフ) - 最初から最後迄本当に楽しかったです！どちらのルートも応援していたのでとても胸がいっぱいです！ホントに素敵な作品をありがとうございます！！ (2018年10月29日 7時) (レス) id: 437cb76d7d (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - おっ、、、あっ、、、。、、、、、ぁぁぁぁあああ！、ぁぁぁぁあああ！最高ぉぉおおおお！最後まで神作ぅぅぅぅぅぅううう！ (2018年10月28日 2時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年10月21日 21時
