STORY 14 ページ5
それは、なっちゃんからLINEを通して電話がかかってきたからだった。
及川「…え、え、えっえっ嘘！なっ、え、あえっ、ど、どうし…」
突然かかってきたなっちゃんの電話に、あたふたした後、俺はスーハースーハーと深呼吸を繰り返す。
そして、意を決すると通話ボタンを押し、恐る恐るスマホを耳に押し当てた。
及川「…は、はい？」
『出るの遅いんだけど』
及川「だ、…だって急にかけてくるから」
『もしかして電話苦手？』
及川「えっあ、ううん！苦手じゃない、…よ」
まるで目の前になっちゃんがいるかのように、片手を左右に振って電話が苦手じゃないことを示した。
『昨日及川さん、眠いのに無理して俺に付き合ったでしょ。だから今日は眠そうだなと思ったら電話切って終わりにしようと思って』
及川「べ、別に無理してないし…」
電話切って終わりにしようだなんて寂しいこと言わないでよ、と心の中で拗ねてみせた。
『最後、寝ぼけてたでしょ』
及川「えっ？」
『俺といっしょがいい、ってメッセージ送られてきたんだけど』
及川「あ…！あれは本当に記憶がなくて…ッ！」
電話の向こう側で、ハハハ、と笑うなっちゃんの楽しそうな声が聞こえた。
『甘えん坊かよ』
及川「だから違うって！あれは忘れてよ！」
『いーや』
及川「嫌じゃないから！忘れなさい！先輩命令！」
『いっやっ』
俺をからかうように、電話の向こう側のなっちゃんはそう言いながら楽しそうに笑う。
なんだかからかわれている俺まで楽しくなってきて、最初は緊張していた通話も、徐々に慣れ始めた。
電話の向こう側から聞こえるなっちゃんの声は、学校で時々話すなっちゃんの声よりも低くて、落ち着いていて、そして、とても優しい。
学校では俺の目の前であまり笑わないなっちゃんも、電話だと俺の言葉によく笑ってくれる。
沈黙なんて一瞬たりとも無くて、俺たちは電話を繋げたままドライヤーをしたり、歯を磨いたり、パジャマに着替えたりなどをした。
まるで、一緒に暮らしている気分になる。
電話の向こう側からゴソゴソと音がすると、俺はなっちゃんが布団に入ったことに気付き、俺もつられて布団に入った。
通話をスピーカーに切り替えて枕の上にスマホを置き、近くに置いてあった抱き枕を引き寄せて両腕で抱き締めた。
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磯野(プロフ) - ナナさん» おはようございます。コメントありがとうございます。私も浪川さんの声はイケボだと思います！書いてて自ツッコミしてました(笑)読んで頂けまして嬉しいです！今後ともよろしくお願い致します。 (2018年6月24日 8時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 磯野さんのお話をひたすら、ニヤニヤしたり、笑っ たり恋ってこんな感じなんだなあと思ったりと楽しく見ています！思わず、浪川さんあんたもイケボだよなど叫びながら見ています！これからも頑張ってください！ (2018年6月24日 7時) (レス) id: c46c927188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年6月10日 21時
