STORY 24 ページ38
(及川side)
結局、なっちゃんの中履きは見つからない。
中履きが無くなってから、３日目が経過した。
新しい中履きを購入したなっちゃんは、「履きにくい」「固い」と文句を言っていた。
確かに、履き慣れていた中履きから、突然新しい中履きに変えた最初の頃は、違和感があるだろう。
でも、スリッパでの学校生活よりはマシだと思う。
それに、その新しい中履きだって、数日が経過すれば慣れると思うし。
朝練習を終えた俺は、玄関前で偶然なっちゃんと会って、無くなった中履きと新しい中履きについて話していた。
及川「お母ちゃん、心配してたんじゃない？」
『母さんには、靴に穴が空いた、って言って新しいの買ってもらった。さすがに無くなっただなんて言えないし』
及川「そっか。いったい誰が隠したんだろうな」
『知らね。心当たり無いし』
なっちゃんに敵対心を燃やす人って誰？
俺のファンクラブの女の子達？
いや、そんなはずない。
だって、ファンクラブの女の子たちはみんな良い子ばかりだよ、…多分。
それとも、俺のことが好きな男の子？
誰だよ、それ。
いるの？そんな男の子、いるの？
俺はやっぱり、なっちゃんの靴を盗んだ人のことを許せなかった。
どうしても、犯人をつきとめたかった。
すると、ゆっくりと俺たちに歩み寄る足音が聞こえ、それと同時に「皐月」と声が聞こえる。
俺となっちゃんは同時にそちらへと顔を向けると、そこには瞳を細めて笑みを浮かべる五十嵐がいた。
「おはよう」
『…おはようござ……えっ』
「皐月の靴、３年の階にあったけど」
五十嵐の片手には、白い中履きがぶら下がっていて、中履きのかかとには「夏坂」と名前が記してある。
それはどう見ても、なっちゃんが今まで履いていた中履きであった。
『３年の階にあったんですか？』
「うん。これ、皐月の靴で間違いないよね？」
なっちゃんは眉を寄せながらゆっくりと五十嵐に歩み寄り、自分の靴かどうか確かめる。
そして、困惑した表情を浮かべながら、五十嵐を見上げた。
『俺の、です。間違いないっす』
「良かった。あって良かったね」
五十嵐はなっちゃんに靴を差し出すと、なっちゃんは両手でそれを受け取った。
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磯野(プロフ) - ナナさん» おはようございます。コメントありがとうございます。私も浪川さんの声はイケボだと思います！書いてて自ツッコミしてました(笑)読んで頂けまして嬉しいです！今後ともよろしくお願い致します。 (2018年6月24日 8時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 磯野さんのお話をひたすら、ニヤニヤしたり、笑っ たり恋ってこんな感じなんだなあと思ったりと楽しく見ています！思わず、浪川さんあんたもイケボだよなど叫びながら見ています！これからも頑張ってください！ (2018年6月24日 7時) (レス) id: c46c927188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年6月10日 21時
