STORY 22 ページ32
(及川side)
帰宅し、夕飯や風呂を済ませてからリビングのソファに腰をかけた。
膝の上にはなっちゃんから渡された、幼稚園のときのなっちゃんの思い出の品である、好きなものノートが乗っている。
ノートの表紙に書かれている「おさかな組」とは、年少組のクラスの名前。
俺がおはな組で、なっちゃんがおさかな組のときに、俺たちは出会った。
表紙には、茶色のクレヨンで丸がたくさん描かれていて、これはなんだろう…と首を捻った。
その隣には、紫色のクレヨンで細長く描かれている。
茶色のクレヨンと、紫色のクレヨン。
なっちゃんの好きな茶色のものと、紫色のもの。
及川「もしかして、これ、唐揚げとナス？」
ごめん、なっちゃん。
クッソヘタクソ。
ぶはっ、と思わず笑ってしまった。
なっちゃんは小さな頃から、唐揚げとナスが好きだったんだね。
そういえば、幼稚園の庭で野菜を育てたことがあったよね。
そのとき、ナスを育てたいってなっちゃんは先生に言ってた気がする。
結局ナスじゃなくて、トマトになったんだけどね。
ページを一枚捲ると、なっちゃんの好きな食べものや好きな色、好きなおうたが書かれていた。
好きな食べものは、やっぱり唐揚げとナス。
好きな色は俺の予想通り、青。
好きなおうたは「バナナ」と書かれているけれど、これはどういう意味だろう？
謎に包まれたなっちゃんの好きなおうたに、クスッと笑った。
更にページをもう一枚捲ると、そこには「将来のゆめ」と書かれている。
俺はそこに書かれているなっちゃんの小さな字に、ゴクリ、と唾を飲み込んだあと、顔を真っ赤にさせた。
《将来のゆめ》に書かれてあった文字は…
《おいかわくんのおおじさま。》
なっちゃんの小さな頃の夢も、俺の王子様になることだったなんて。
及川「ウソでしょ…」
まさか、お互いがお互いの王子様になりたがっていただなんて。
なっちゃんはこれを覚えていたのだろうか。
覚えていたとしたら、もしかして、忘れていたのは俺だけ？
だとしたら、俺、とても失礼じゃん。
《おいかわくんのおおじさま。》と書かれた文字を指でなぞっていれば、座っていたソファがギシッと軋んだ。
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磯野(プロフ) - ナナさん» おはようございます。コメントありがとうございます。私も浪川さんの声はイケボだと思います！書いてて自ツッコミしてました(笑)読んで頂けまして嬉しいです！今後ともよろしくお願い致します。 (2018年6月24日 8時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 磯野さんのお話をひたすら、ニヤニヤしたり、笑っ たり恋ってこんな感じなんだなあと思ったりと楽しく見ています！思わず、浪川さんあんたもイケボだよなど叫びながら見ています！これからも頑張ってください！ (2018年6月24日 7時) (レス) id: c46c927188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年6月10日 21時
