STORY 21 ページ31
ギョッ！と驚いたように瞳を大きく開いてなっちゃんを見上げていれば、再びなっちゃんの顔が近付き、口を塞ぐように唇を重ねられた。
及川「ふ、…っんん、」
何度も顔の角度を変えて唇を擦り付けられ、俺の頭は朦朧としてくる。
こんな激しいキス、女の子としたことないよ。
こんなキスの仕方、どこで学んだの、なっちゃん。
ぼんやりとした瞳でなっちゃんを見つめれば、ようやく唇が離れた。
なっちゃんの切れ長の瞳に、ぼんやりとした目をした俺の顔が映る。
濡れた自分の唇をペロリと舐めるなっちゃんの顔は、いつもの綺麗な顔に加えて、とても男らしい表情を浮かべているような気がした。
ドキドキ、と俺の心臓が騒がしく動く。
なっちゃんは俺の体の上から離れると、自分のスポーツバッグの中を開いた。
そして、一冊のデコレーションされてある少し色あせたノートを取り出すと、俺の顔の横にパサッと落とした。
チラッと横目でそのノートを見ると、「おさかな組」と書かれてある。
幼稚園のときの、最年少組のクラスの名前だ。
『それを見て、いろいろと思い出してから告白してきて。俺との大事な思い出を忘れたままの及川さんとなんか、付き合いたくない』
そう言い捨てると、なっちゃんはスポーツバッグを肩にかけ、俺に背中を向けて歩き出した。
なかなか戻ってこない俺を心配した岩ちゃんが、ちょうど体育館に俺を迎えに来た。
体育館の扉の前で、鉢合わせになったなっちゃんと岩ちゃん。
お互いに目を合わせると、なっちゃんは先に岩ちゃんに軽く頭を下げ、そのまま通り過ぎた。
岩ちゃんは通り過ぎたなっちゃんを見てから、体育館のコートの上に寝転がっている俺を見ると、慌てて俺へと駆け寄ってきた。
岩泉「及川！どうした！」
及川「い、…岩ちゃん…」
駆け寄ってきた岩ちゃんが視界に入れば、俺は情けない声を出しながら岩ちゃんを呼ぶ。
そして、自然に緩む口元を片腕で隠すように乗せては、さっきのことを思い出して更に顔を真っ赤にさせた。
及川「やっぱり俺、間違ってなかったよ」
岩泉「あ…？」
及川「やっぱり、俺となっちゃんは赤い糸で結ばれてたよ」
岩泉「はあ！？」
片方の眉を上げて素っ頓狂な声を出した岩ちゃんに対し、俺は両手で顔を覆って溜息を吐いた。
及川「キスはまだ早いってなっちゃん〜！」
ーーーーー
to be continue…
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磯野(プロフ) - ナナさん» おはようございます。コメントありがとうございます。私も浪川さんの声はイケボだと思います！書いてて自ツッコミしてました(笑)読んで頂けまして嬉しいです！今後ともよろしくお願い致します。 (2018年6月24日 8時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 磯野さんのお話をひたすら、ニヤニヤしたり、笑っ たり恋ってこんな感じなんだなあと思ったりと楽しく見ています！思わず、浪川さんあんたもイケボだよなど叫びながら見ています！これからも頑張ってください！ (2018年6月24日 7時) (レス) id: c46c927188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年6月10日 21時
