STORY 19 ページ22
そのなっちゃんの表情に、やっぱりなっちゃんは五十嵐のことを嫌がっているのだと察した。
及川「大丈夫。アイツがいなくなるまで俺が隠しててあげる」
『別に…、何か話しかけられても無視して部活行くし』
及川「ダメ」
『なんでそこまでするわけ』
及川「アイツがなっちゃんに話しかけるところ、見たくない」
真剣な表情を向けながら言えば、なっちゃんは唇を結び顔を赤く染めていく。
なっちゃんの赤くなった顔を見ては、俺の顔も自然と赤く染まっていき、「はは」と照れ隠しをするように小さく笑った。
及川「てかさ、LINEの既読くらいつけてよ」
『あー…』
及川「あー…じゃなくて。つけて?分かった?」
『なんで及川さんから上から目線で言われなきゃなんねえの』
及川「う…ッ、」
むす、と眉を寄せるなっちゃんに、俺は心の中で「ごめぇん」と弱々しく言うけれど、一応先輩の身なため、そんな弱々しいことは死んでも口に出来ない。
言葉を詰まらせている俺と目が合ったままのなっちゃんは、フッ、と小さく息を吐いてから目尻を垂らして笑った。
『っとに、変わってない』
及川「ん?どういうこと?」
『変わってないけど、昔のこと覚えてないのはムカつく』
そう言ったなっちゃんは、そっと俺の背中に腕を回すと、俺の胸に額をそっと寄せた。
その途端、俺の全身に緊張感が走り、一気に手の平に汗が滲む。
こ、これはいったいどういう状況!?
俺の背中に触れているアレはなに?
もしかして、手?
なっちゃんの、おてて!?
あの俺よりも白くて小さくて細くて可愛い、なっちゃんの、……おてて!!
じゃあなに、俺ってばなっちゃんから抱き締められてるの!?
あの無愛想だけどとっても美人さんななっちゃんが、俺を抱きしめてくれているの!?
なっちゃんの背中に回していた腕がぷるぷると震える。
もう、俺の頭から眠気はきれいさっぱり消えていた。
俺の背後で、突っ立ったまま俺達を睨みつけている五十嵐のことなんて、とっくに忘れていた。
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to be continue…
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磯野(プロフ) - ナナさん» おはようございます。コメントありがとうございます。私も浪川さんの声はイケボだと思います!書いてて自ツッコミしてました(笑)読んで頂けまして嬉しいです!今後ともよろしくお願い致します。 (2018年6月24日 8時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 磯野さんのお話をひたすら、ニヤニヤしたり、笑っ たり恋ってこんな感じなんだなあと思ったりと楽しく見ています!思わず、浪川さんあんたもイケボだよなど叫びながら見ています!これからも頑張ってください! (2018年6月24日 7時) (レス) id: c46c927188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年6月10日 21時