STORY 2 ページ7
彼の綺麗な笑顔を引き立てるように、彼の背後には桜の花びらが舞っていた。
一瞬にして俺の心臓はズキューン!と矢で撃ち抜かれ、俺は「ヴッ」と唸りながら左胸を手で押さえる。
柔らかい笑みを向けたまま彼は俺から顔を逸らすと、校舎の玄関へと真っ直ぐに歩き進めた。
彼の背中を見つめながら、ドッドッドッと大きく揺れる心臓を押さえている俺。
身動きが出来なくて、銅像のように固まってしまった俺の顔の前に、岩ちゃんが手をヒラヒラと泳がせる。
「おーい」と岩ちゃんは俺に声をかけても、俺はピクリとも反応をしない。
今度は俺の耳を引っ張ると、背伸びをして俺の耳に唇を寄せ「お゛いッ!」と叫んだ。
キーン!と俺の脳内に、岩ちゃんの怒鳴り声がこだまし、ようやく俺は我に返ることが出来た。
及川「う、うるさいよ岩ちゃん!」
岩泉「お前がぼーっとしてっからだろ」
及川「だ、だって今の子……俺のキャラが好きだって…」
岩泉「いや、好きとは言ってねえな。お前のバカキャラは嫌いじゃねえ、って言ってたな」
及川「あれって告白かなぁ…」
ぽぽ、と赤く染まる頬に両手を添える俺に、「どこが告白なんだよ!」と岩ちゃんが隣でツッコミを入れた。
彼の名前は、なんて言うのだろう。
桜の季節に現れたから、桜くん?桜くんなの?
もしかしたら、花びらくん、だったりして。
桜くんでも花びらくんでも、なんでも良いよ。
君の名前なら、全力で愛してあげる。
及川「花びらくん…」
もう彼の姿なんてどこにも見えないけれど、俺はうっとりとした表情を浮かべながら玄関を見つめた。
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to be continue…
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磯野(プロフ) - 雷雅さん» 雷雅也様、おはようございます!コメントありがとうございます。これからも更新頑張っていきますので、磯野の駄作品をこれからもよろしくお願いします! (2018年6月6日 6時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2018年6月3日 18時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ハリヤヤマさん» おはようございます!以前はコメントありがとうございました!また毎晩のように更新通知を鳴らしてしまいますが、この先もどうぞよろしくお願い致します(;;) (2018年5月30日 8時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ハリヤヤマ - うわー新作だー!とっても面白そうです。かげながら応援するています。これからも沢山の小説期待しています!! (2018年5月30日 8時) (レス) id: 3d7326d260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年5月29日 19時