STORY 12 ページ44
なっちゃんの弁当箱の中には、いったい何が入ってたの?
ちょっと不安。
『及川さん、箸』
及川「ああ、うん」
俺は水色の巾着袋の中から箸を取り出すと、それをなっちゃんに手渡した。
「いただきます」と丁寧に手を合わせたなっちゃんは、箸を手に持ち唐揚げを挟む。
そして、大きく口を開いて唐揚げにかぶりついた。
俺はなっちゃんの唐揚げにかぶりついた姿を、じっと観察するように見つめる。
岩ちゃん達も、なっちゃんの反応を見るようにじっと見つめていた。
もぐもぐ、となっちゃんの頬が数回動き、小さな喉仏が上下に動けば、なっちゃんが唐揚げを飲み込んだことに気付いた。
そして、なっちゃんは口角を上げて笑みを浮かべ、俺に向けて親指を立てた。
『マジうまい』
なっちゃんのその言葉と、口角を上げた笑みに、俺の心臓はいとも簡単に爆発した。
マジうまい、だって。
どうしよう。
俺、なっちゃんの王子様だけじゃなく、主夫も出来るんじゃない?
やっぱり俺はなっちゃんと結婚する義務があるんだ!
及川「ほ、本当?美味しい?」
『うまい』
及川「ナスは?ナスの煮物は?」
今度はナスの煮物を食べるなっちゃんの姿を、観察するように見つめる。
ごくん、と飲み込んだなっちゃんは、「これもうまい」と褒めてくれた。
嬉しすぎる。
いつも塩対応のなっちゃんが、俺をうんと褒めてくれるなんて。
生まれてきて良かった。
及川「味は?濃くない?」
『これ、及川さん家の味付け?』
及川「そう。昨日お母ちゃんから教えてもらった」
『うまい。及川さんの母さん、料理上手いね』
ああ、嬉しい。
お母ちゃんのことを褒めてくれるなっちゃんを、ますます好きになってしまう。
俺はテーブルの上に頬杖をつき、美味しそうに唐揚げとナスの煮物を食べるなっちゃんを眺めた。
及川「全部食べなよ」
『ん、もちろん』
嬉しいなあ。
絶対なっちゃん、俺のこと好きだよね。
こんなに美味しい美味しい言いながら食べてくれる人は、絶対になっちゃんしかいないよ。
誰にも奪われないようにと、急ぐようにバクバクと食べるなっちゃんの姿を見ては、小さく声に出して笑ってしまった。
そんな俺の幸せな微笑みを、岩ちゃんとマッキー、まっつんは顔を見合わせ、小さく笑みを浮かべていた。
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to be continue…
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磯野(プロフ) - 雷雅さん» 雷雅也様、おはようございます!コメントありがとうございます。これからも更新頑張っていきますので、磯野の駄作品をこれからもよろしくお願いします! (2018年6月6日 6時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2018年6月3日 18時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ハリヤヤマさん» おはようございます!以前はコメントありがとうございました!また毎晩のように更新通知を鳴らしてしまいますが、この先もどうぞよろしくお願い致します(;;) (2018年5月30日 8時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ハリヤヤマ - うわー新作だー!とっても面白そうです。かげながら応援するています。これからも沢山の小説期待しています!! (2018年5月30日 8時) (レス) id: 3d7326d260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年5月29日 19時