STORY 12 ページ42
すると、なっちゃんから返信が来ていて、俺はすぐに内容を確認しようと画面を開いた。
そこには、《なんの呼び出し?》とだけ。
すぐになっちゃんに食堂まで来てもらおうと、《いいものあげる。》とメッセージを送ると、今度はすぐに既読がついた。
おぼんの上に乗っている味噌汁をズズッと啜りながらスマホ画面を睨み付けていれば、なっちゃんからの返信が。
《今行く。》
思わず「ぶふっ!」と味噌汁を吹き出してしまい、慌てて腕で口元を拭う。
嫌だ、とか、めんどくさい、なんて言われると思ったけれど、意外とすぐに来てくれるというなっちゃん。
ヤバい、心の準備が出来ていない。
及川「なっちゃん今から来るって……って、どうしたの?マッキー。顔にワカメついてるよ」
花巻「……お前の口から飛び出したワカメだろ」
どうやら俺が今、味噌汁を吹き出してしまったため、俺の口からワカメがマッキーの顔面に飛んだらしい。
どんまい、マッキー。
そんなマッキーを相手している暇はなく、俺は昨日の晩に、お母ちゃんから教えてもらった唐揚げとナスの煮物が入った弁当箱を引き寄せた。
なっちゃんの大好物が入った、愛情たっぷりのお弁当。
これを食べてもらって、なっちゃんの胃袋を掴むんだ。
そして、「美味しい!及川さん大好き!」なんて言ってもらうんだ〜!ああ、好き。
水色の巾着袋を両手で持ち、フッフッフッ、と怪しげな笑みを浮かべる俺から三人は目を逸らす。
まだかまだかと待ち構えていれば、「及川さん」と俺を呼ぶ愛しい声が耳に届いた。
顔を上げれば、そこにはなっちゃんが立っていて、慣れない食堂を見渡してから、椅子に座っている俺を見下ろした。
『なに。いいものって』
及川「ま、…まあ、…座りなよ」
俺の右隣の席が空いていたため、そこに座らせようと椅子の上をポンポンと叩く。
岩ちゃんはなっちゃんの姿は見たことがあったけれど、マッキーとまっつんはなっちゃんを初めて見るようだ。
なっちゃんの美しい顔を見ては、二人は顔を見合わせていた。
なっちゃんは渋々椅子に座ると、俺はゲフンとひとつ咳払いをしてから「えっとー…」と口を開いた。
及川「すごく、良いものだよ。嬉しすぎて腰抜かしても知らないから」
『だからなに?』
及川「……作ってきてあげた、わざわざ」
『なにこれ』
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磯野(プロフ) - 雷雅さん» 雷雅也様、おはようございます!コメントありがとうございます。これからも更新頑張っていきますので、磯野の駄作品をこれからもよろしくお願いします! (2018年6月6日 6時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2018年6月3日 18時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ハリヤヤマさん» おはようございます!以前はコメントありがとうございました!また毎晩のように更新通知を鳴らしてしまいますが、この先もどうぞよろしくお願い致します(;;) (2018年5月30日 8時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ハリヤヤマ - うわー新作だー!とっても面白そうです。かげながら応援するています。これからも沢山の小説期待しています!! (2018年5月30日 8時) (レス) id: 3d7326d260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年5月29日 19時