STORY 11 ページ40
無言で歩くのもつまらないため、俺は心の中で話題、話題、と呟いていると、先に口を開いたのはなっちゃんだった。
『及川さん、いつもあんな満員電車に乗ってんの？』
及川「えっ、あ、うん。そうだけど」
『俺がいつも乗ってる電車、アレよりまだマシだからそっちに乗ったら？』
及川「へ？」
きょとん、とする俺に、なっちゃんは小さく笑って俺へと顔を向けてくれた。
『7時45分』
及川「…の、電車に乗ってるの？」
『うん。及川さんもそれに乗ってみな』
ねえ、これってさ。
一緒に電車に乗ろう、ってこと？
誘いだよね？絶対俺、誘われてるよね？
了解！明日からその電車に乗るよ、絶対に！
及川「わ、…分かった。まあ、間に合ったら乗ってみるよ、その電車に」
『そうしな』
絶対に乗るけどね。
及川「てかさ、なっちゃんって…な、ナス、好きなの？」
『なんで？』
及川「LINEのアイコンがナスだから」
『なんで俺のアイコン勝手に見てんの』
好きだから。
なんて、言えるわけがなく。
及川「たまたまだよ」
素っ気なく答えてしまった。
「ふうん」と興味無さげに言うなっちゃん。
そこで話題は途切れてしまい、俺達の間には再び、沈黙が流れてしまった。
及川「…な、…ナスってさぁ」
『俺ナス好き』
及川「え！？あ、な、なす、…ナス好きなんだ？やっぱり？」
無理やりナスの話題を振ろうとした俺の言葉を遮り、「俺ナス好き」と言ったなっちゃんの言葉に驚いてしまった。
『ナスと唐揚げが好き』
及川「そ、そうなんだ」
『及川さんは？』
及川「ん？」
『ナスと唐揚げ、好き？』
じ、っと観察をしてくるように俺を見つめるなっちゃんに、俺はゆっくりと頭を縦に振った。
及川「……好きだよ」
なっちゃんのことが。
『一緒じゃん』
そう言いながら目尻を垂らして笑うなっちゃんの柔らかな表情に、俺は大太鼓を叩いて叫びたい衝動を押さえた。
よし、なっちゃんに弁当を作ってあげよう。
もちろん、ナスと唐揚げを入れて。
────好きな人を全力で守ってあげたくなるよね。
────好きな人に、愛情たっぷりのお弁当を作ってあげたくなるよね。
恋、って楽しいね。
ーーーーー
to be continue…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
磯野(プロフ) - 雷雅さん» 雷雅也様、おはようございます！コメントありがとうございます。これからも更新頑張っていきますので、磯野の駄作品をこれからもよろしくお願いします！ (2018年6月6日 6時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください！ (2018年6月3日 18時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ハリヤヤマさん» おはようございます！以前はコメントありがとうございました！また毎晩のように更新通知を鳴らしてしまいますが、この先もどうぞよろしくお願い致します(；；) (2018年5月30日 8時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ハリヤヤマ - うわー新作だー！とっても面白そうです。かげながら応援するています。これからも沢山の小説期待しています！！ (2018年5月30日 8時) (レス) id: 3d7326d260 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：磯野
| 作成日時：2018年5月29日 19時
