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STORY 10 ページ32

ゴクリ、と喉仏を上下に動かして内容を確認すると、そこには《自販機の前にいるならコーラ買ってきて。》と絵文字ひとつ無いメッセージが。


《コーラ買ってきて。》の文字に反応するように丸めた背中を伸ばした俺は、「待ってて!なっちゃん!」と叫ぶと自動販売機の前に突撃するように走る。


尻ポケットに入れていた長財布から小銭を取り出すと押し込むように入れ、コーラのボタンをダダダダッ!と連打すると、ゴトンッと音を立てながらコーラの缶が落ちてくる。


取り口からコーラの缶を拾うと、俺は再び三人の元に戻り、スマホを片手に指を高速に動かした。


送った内容は《分かった。》という、なんとも俺の今の心境とはかけ離れた素っ気ない文章。


でも、これでいいんだよ。


だって俺、先輩だもん。


先輩の俺がキャピキャピした文章なんて打ったら、みっともないでしょ。


ここはカッコつけなきゃ。



及川「ごめん、なっちゃんが俺を欲しがってるから行ってくる!」

岩泉「夏坂が欲しがってんのはお前じゃなくてコーラだろ」



俺にツッコミを入れた岩ちゃんの言葉なんて俺の耳には入って来ず、俺はバタバタと足音を響かせながら食堂から出ると、急いで1年生の教室がある4階へと走った。


廊下を走るとすれ違う女子生徒達から「及川くん!」と何度か声をかけられた。


それでも俺は今、そんな可愛らしい女子生徒達を相手にしている暇なんてなくて、一瞬だけの笑顔を向けて通り過ぎる。


ゼェハァゼェハァと呼吸を乱しながら階段を一段飛ばして駆け上がると、4階に到着したときには俺の髪の毛は乱れていて、表情もやつれてしまっていた。


4階に到着した俺は、手洗い場の壁に飾られている鏡の目の前で足を止め、乱れた髪の毛を片手でセットする。


何度も鏡に映る自分に向けてキリッとした表情を作ると、スーハースーハーと深呼吸を繰り返した。


そして、一歩ずつ床を踏みしめながら、なっちゃんのクラスである1年6組へと歩を進める。


滅多に3年生が1年生の教室に訪れることがないため、俺が1年生の教室が並ぶ廊下に現れると、俺を見た女子生徒達は一斉に叫び声を上げた。


「キャー!」「及川さんよ!」「嘘でしょ!?」と、女子生徒達は次々に教室の中から廊下に飛び出してくる。


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磯野(プロフ) - 雷雅さん» 雷雅也様、おはようございます!コメントありがとうございます。これからも更新頑張っていきますので、磯野の駄作品をこれからもよろしくお願いします! (2018年6月6日 6時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2018年6月3日 18時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - ハリヤヤマさん» おはようございます!以前はコメントありがとうございました!また毎晩のように更新通知を鳴らしてしまいますが、この先もどうぞよろしくお願い致します(;;) (2018年5月30日 8時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
ハリヤヤマ - うわー新作だー!とっても面白そうです。かげながら応援するています。これからも沢山の小説期待しています!! (2018年5月30日 8時) (レス) id: 3d7326d260 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:磯野 | 作成日時:2018年5月29日 19時

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