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STORY 14 ページ10

今はまだ、好き、だとは言葉で伝えることは出来ないけれど、俺は皇輝が好きなんだよ、と心の中で伝える。


及川「もう…、皇輝はなんでも軽く言い過ぎなんだってば」

「悪かったって。でもお前もいちいち気にしすぎなんだよ」

及川「そりゃあ気にするよ!」

「そんなに?」

及川「うん…」


だって、好きな人が言うことだもん。
気にするに決まってるじゃん、バカ。

未だにぷくっと頬を膨らませる俺に、皇輝はやれやれと肩を落とすと、「じゃあ」と付け足した。


「行こうぜ、秋祭り」

及川「…は?秋祭り?」

「そ。ここ最近、ずっと俺の言葉を気にして考え込んでたんだろ?そのお詫び。秋祭りに行って、りんご飴奢ってやるよ」

及川「本当!?」


瞳をキラキラと輝かせて喜ぶと、皇輝は俺の反応を見て苦笑いを浮かべる。


「大会が終わってから、だけどな。行こうぜ。今の3年が引退してからになるけど」

及川「行く!行こう、皇輝!」

「おう。みんな誘って行こうぜ」

及川「え、…みん…」


皇輝の口から出た「みんな」の言葉に、俺の急上昇したテンションは一気に地の底まで下がる。

俺と二人きり、ではないんだ。
そこには俺以外の誰かがいて、みんな、なんだね。

それでも今は皇輝から誘ってもらった秋祭りが嬉しくて、ゆっくりと頭を縦に動かした。


及川「行く。ドタキャンしたら怒るから」

「しねえよ、絶対」

及川「りんご飴もちゃんと奢ってよ?」

「わーってんよ」

及川「約束だからな?」

「しつけえな」


そう言いながら皇輝は片手を持ち上げて、俺の目の前に小指を伸ばしてきた。

その小指の先を見てきょとんとする俺に、皇輝は「指切りげんまん」と言う。

恐る恐る片手を挙げると、皇輝から俺の小指に自分の小指を絡めてくる。

ゆっくりと上下に動かしながら、「ゆーびきーりげんまんっ」とリズムに合わせて言う皇輝。


「これで約束な?」


瞳を細めて笑顔を作る皇輝に、ドキンッと心臓が大きく跳ね上がる。

ダメだよ、皇輝。
そんな笑顔を俺に向けちゃ。

これじゃあ秋祭りが楽しみすぎて、夏の大会どころじゃないよ。

問いかけるように投げかけられた言葉に、俺も満面の笑みを浮かべて大きく頷いた。


及川「約束!」


ーーーーーー
to be continue…

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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます!コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます!また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません?弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか?これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:磯野 | 作成日時:2018年4月10日 17時

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