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STORY 13 ページ7

ダラダラと冷や汗を垂らしていると、皇輝はスンッと鼻を啜ってから俺へと顔を向けた。


「怖がり。ビビり。変態。ド変態」

及川「…は、…ちょ、ド変態はいらなくない!?さっきのは偶然で…」

「しかも体当たりしてくるし、お前なんなの。俺の鼻折れたらどうすんの」


鼻先を再び手の甲でゴシゴシと擦る皇輝に、まるで反省をした犬のように体を縮こませる。


「岩泉、ありがとなあ。急に閉められたんだよ」

岩泉「ああ、さっき部室に用務員のおっちゃんが来てよ。鍵閉めるとか言うから、まさかお前ら閉じ込められたんじゃねえかって見に来たら案の定だった」

「さすが岩泉。役に立つわあ。コイツなんも役に立たねえの。ずっとビビって縮こまってるし」


マットから立ち上がった皇輝は頭を左右に倒して首の骨をポキポキと鳴らし、部屋の扉へと歩いていく。

そんな皇輝の後ろ姿を黙って目で追っていると、皇輝は「あ」と口を開いて岩ちゃんの目の前で立ち止まった。

そして、俺へと顔を振り向けると、小さく息を吐きながら皇輝は口を開いた。


「知ってっから、俺」

及川「…へ?」

「お前が俺を嫌いなことくらい、知ってるから」


そう言い小さく笑った皇輝は、ひとりその場から出ていき部室に戻って行った。

突然皇輝から言われた言葉の意味が理解出来なくて、マットの網目を見つめながら悶々と考える。

今の言葉は、…なに?

もしかして、さっき皇輝が俺に言った「お前俺のこと好きだよなぁー」の言葉に対して?

俺が皇輝を嫌い?

皇輝はそう思っているの?

皇輝にはそう見えてるの?


及川「違…ッ、」


違うよ、皇輝。

嫌いじゃないよ、好きなんだよ。

大好きなんだよ。

なんで「嫌い」なんて思うの?

こんなにも俺は皇輝のことが好きなのに。

悔しくて悔しくて堪らなくて、正座する膝の上に両拳を作った俺を、岩ちゃんは黙って見つめていた。


ーーーーーー
to be continue…

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磯野

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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます!コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます!また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません?弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか?これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:磯野 | 作成日時:2018年4月10日 17時

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