STORY 23 ページ46
ニヤリ、と口角を上げて問いかけてみると、ハセちゃんは驚いたように目を開き、頭の中に飛雄の姿を描きながらゆっくりと唇を動かした。
「元気、…だと思いますけど」
及川「最近飛雄と会ってないんだよね。あいつ、携帯持ってないから連絡取れないし」
最近、っていうか、もう2年も会っていないけど。
及川「今は仲良いの?飛雄と」
「それなりに」
及川「そうなんだ。それは飛雄も喜ぶだろうね」
良かったね、飛雄。
俺と皇輝みたいに関係が崩れなくて。
そういえば飛雄は、いったいどこの高校を受験したのだろう。
まさか、頭の良い白鳥沢を受験した、なんて言わないよね。
あそこの高校は本当に頭の良い連中しか受からないから、バカな飛雄は無理に決まっている。
しかし、飛雄がどこの高校を受験したか聞いてみると、俺が想像した白鳥沢だった。
「白鳥沢…」と答えたハセちゃんが急に、「あっ!」と何かを思い出したかのように声を上げる。
そして国見ちゃんに、「影山受かったか分からない」「電話番号知らない」と、やけに焦ったように言っていた。
そんなハセちゃんの慌しい様子を見て、ハセちゃんと飛雄は付き合っているんだと瞬時に理解した。
金田一が、部の連絡網に影山の家電が載っている、と言うと、ハセちゃんの表情からは一瞬にして不安が消えた。
黙って見つめている俺に顔を向けたハセちゃんに、「行きな」と俺は言うと、早口で俺と岩ちゃんにお礼を言ったハセちゃんは、風のごとく走り出した。
飛雄、良かったね。ムカつくけど。
告白して、無事に付き合うことが出来たんだね。
でも、なんであの飛雄が好きな人とめでたく付き合うことができて、このモテモテな俺が皇輝からふられなきゃいけないわけ?
久しぶりにハセちゃんの顔を見たからか、皇輝の憎たらしい顔と、「わり」と言った皇輝の声が頭の中をぐるぐると回り始める。
ムカつくけれど、皇輝に会いたい。
腹立つけれど、皇輝の声が聞きたい。
けれど、俺は皇輝に会う資格なんて、無い。
告白をしたら皇輝にふられ、合わす顔が無くなった俺は皇輝から逃げて無視までしたんだ。
今更皇輝に会ったところで、俺はなんて声をかけたら良いのだろう。
パタパタと走るハセちゃんが、皇輝の走り方にそっくりで、思わず小さく笑ってしまった。
及川「本当、いくつになっても皇輝にそっくり」
今、皇輝は何をしているのかな。
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to be continue…
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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます!コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます!また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません?弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか?これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年4月10日 17時