STORY 23 ページ45
皇輝のことが頭から離れなくて、彼女を皇輝に重ねてしまっている最低な俺だけれど、それでもなんだかんだ高校生活は満喫していた。
部活では絶対に、ウシワカに勝って全国に行く!と目標を掲げた。
俺が高校2年生になると、中学の夏の大会を観に、仙台市市民体育館に訪れた。
そこで独裁的なバレーをする中学3年生になった飛雄を見て、バカだなぁ、と感じつつ、コートの後ろ側で小さな体を懸命に動かしてボールをレシーブするハセちゃんを見て、皇輝だと錯覚した。
皇輝もあんなふうに小さな体を更に縮こませてボールをレシーブし、ボールから一切目を離さず、コートを走り回っていた。
辺りを見回して皇輝がこの会場に来ていないか確認をするけれど、姿は見当たらない。
どうやら皇輝は来ていないみたいで、それは少し寂しいけれど、ホッとした部分もあった。
結局、北川第一中学は負けてしまい、飛雄はチームメイトから見放されてしまったようだ。
確かに飛雄が悪いけれどチームメイトのお前らも悪いよ、と心の中で後輩達に伝えながら、岩ちゃんと一緒に会場を出た。
次に後輩達と会ったのは、3月の雪降る寒い季節。
高校受験の発表を見に来ていた国見ちゃん、金田一、そしてハセちゃんの三人の姿を発見した。
三人は中学1年の頃よりも身長が伸びていて、金田一なんて俺よりも身長が高かった気がする。
ハセちゃんは元々小さくて、身長が伸びた今でも決して高いとは言えないけれど、それでも伸びた方だと思う。
部活に行く手前だったため、青葉城西男子バレーボール部のチームジャージを身につけながら、岩ちゃんと並んで彼らに歩み寄りながら声をかけた。
「金田一と国見ちゃんだ。あ、ハセちゃんもいるー」
久しぶりに会う後輩達に満面な笑みを向けると、一番に反応を示してくれたのは金田一で、瞳をキラキラと輝かせていた。
及川「どうだった?」
金田一「俺たち三人、合格しました!」
及川「へえ、そうなんだ。おめでとう」
礼儀正しく金田一と国見ちゃんは俺にお礼を言いながら頭を深々と下げるけれど、ハセちゃんは何も言わずに小さく頭を下げるだけ。
先輩に対しての礼儀がイマイチなところが、皇輝にそっくりだなと感じた。
及川「飛雄は元気?」
「えっ」
確か、飛雄はハセちゃんのことが好きだったよね。
あれから飛雄はちゃんと自分の気持ちをハセちゃんに伝えたのかな?
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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます!コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます!また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません?弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか?これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年4月10日 17時