STORY 23 ページ44
【及川side】
皇輝に告白をし、「わり」とたったの二文字で断られ、岩ちゃんに抱きつきながら泣き喚いたあの日から、俺は皇輝と一切口をきかなくなった。
廊下でばったり会うと皇輝は普段通りに俺を呼ぶけれど、俺は皇輝を避けるようにトイレに走ったり、わざと忘れ物をしたと言って教室に戻ったり、聞こえないフリをして無視をしたりした。
そんな俺の態度に、皇輝は初めの頃はよく話しかけてくれていたけれど、徐々に俺を見ても何も言わなくなった。
廊下で会ってもお互い目を合わせずに通り過ぎる。
皇輝とすれ違った後、自分が皇輝に告白をしてしまったことを毎回後悔する。
あのとき告白をしなければ、自分の気持ちを我慢していれば、今、皇輝とは普通に会話が出来ていたのに。
大嫌い!と岩ちゃんの目の前では叫んだけれど、どうしても嫌いになることが出来ない。
今も好きで好きで堪らない。
皇輝からあの真ん丸な瞳で見つめられたい、また軽口を叩き合いたい、瞳を細めて笑う皇輝を間近で見たい。
結局、自分の気持ちを皇輝に伝えてしまったため、皇輝との関係は一瞬にして壊れてしまい、年が明けても、卒業式を迎えても、皇輝と会話をすることは無かった。
中学の卒業式を終え、高校に入学した俺は、真新しい制服に身を包み、皇輝のことを忘れるために新しい友達作りと女の子とのコミュニケーションに励んだ。
部活も中学の頃よりも一層気合を入れて励み、ぐんぐんと俺のバレー技術は上がっていく。
高校でも俺のモテ期は止まることを知らず、タイプの女子生徒から告白をされたら付き合った。
でも、それは皇輝を忘れるため。
新しく出来た彼女と隣同士に並んで歩きながらも、彼女が皇輝だったら良いのに、なんて考えたことも多々ある。
彼女と喧嘩をしたときだって、なかなか自分の気持ちをハッキリと言わない彼女に、皇輝なら自分の気持ちをハッキリ言ってくれるんだけどな、なんて思った。
いつもいつも皇輝のことばかり考えてしまって、なかなか脳内から消えてくれない。
早く忘れたいのに、いつまでも未練があるようで自分が情けなく感じる。
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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます!コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます!また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません?弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか?これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年4月10日 17時