STORY 22 ページ41
俺は皇輝のことが好きなのに、もう3年も片想いをしているのに、どうして気付いてくれないの、どうして俺にあの子と付き合ったら?なんて言うの。
俺が付き合いたいのは、俺が好きなのは…
及川「皇輝なのに…」
心の声が、ぽろっ、と言葉に出てしまい、皇輝は「ン?」と眉を寄せて首を傾げる。
まだ言っちゃダメ。
今言っても俺はふられる。
そう頭では理解しているのに、どうしても我慢することは出来ない。
及川「俺が好きなのは、皇輝なんだよ」
皇輝の肩からそっと手を降ろし、少し震えた声音で皇輝に言うと、皇輝の真ん丸な瞳が徐々に広がっていく。
訂正しなきゃ。
今のは嘘、って言わなきゃ。
取り消さなきゃいけないのに、俺の口からはどんどん本音が溢れていく。
及川「お前のこと、ムカつくクソチビだと思ってたのに。それなのに、いつの間にか好きになってた。1年の頃から好きだった。もう3年も片想いしてるんだよ、どうしてくれんの」
「……すげぇな、1年の頃からとか」
及川「そうだよ。ちっとも皇輝は気付いてくれない。なんで気付かないの、バカ。この鈍感」
ムス、と唇を尖らせると、皇輝はフン、と鼻で笑いながら瞳を細めた。
「知ってた。お前が俺のこと好きだって」
及川「……は?嘘でしょ」
「本当」
てっきり気付いていないと思っていたのに、いつから皇輝は気付いていたのか。
今度は俺が驚いてしまい、目を丸くする。
「お前さあ、机に落書きすんのやめろ。そんで筆箱で隠しても無駄だっつーの」
及川「………あ、……ああっ!!」
あの、机の隅の文字。
俺が無意識で書いてしまった、黒ペンの文字。
書いてしまった後、どうしてもその文字を誰にも見られたくなくて、体育の授業から戻った後にその文字を黒ペンで塗り潰した。
あれを皇輝に見られていただなんて、恥ずかしくて雪の中に埋まって隠れたい気分になる。
及川「なんで見たの!」
「ずっと前、理科の教科書借りて返しに行った時に見た」
及川「最悪!!最低!!」
「はぁ!?あんな所に書くのがわりーんだろ」
じゃあ皇輝は、俺が自分のことを好きだと知っていて、今日まで俺と接してきたってこと?
俺が今まで皇輝にベタベタとつきまとっていたり、やけに突っかかったりしていた理由も、知ってたってこと?
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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます!コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます!また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません?弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか?これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年4月10日 17時