STORY 20 ページ34
けれど、その時俺と弟は同じ部屋だったため、夕飯を食べ終えると、弟の面倒を見ながら一緒に遊んであげた。
俺が小学3年生、弟が1年生になったとき。
周りの子よりも身長が小さく、小柄な弟は、成長が早い男子生徒からいじめられることがあった。
その時俺は、1年生の教室に乗り込み、弟をいじめている男子生徒をこてんぱんにやっつけたことがある。
もちろん俺は先生に怒られたし、家に帰れば父親にも怒られた。
小学4年生になった俺は、父親の影響を受けてバレーボールをするようになった。
スポーツをすることが好きだった俺は、バレーボールが楽しくて楽しくて仕方なくて、家に帰ってからもひとりでバレーボールをすることがあった。
そんな俺の姿を見て、「俺もしたい…」と言ってきたのが、弟。
それから毎日俺と弟は家の外でバレーボールをするようになった。
俺が小学5年生になると、だんだん自分の意思を持つようになった弟は、俺に反抗的な態度を取るようになった。
俺様基質がある俺は、反抗してくる弟に対して乱暴な態度を取るようになり、そして喧嘩も多くなった。
取っ組み合いの喧嘩をするともちろん俺が勝ち、口喧嘩をしても俺が勝つ。
その度に弟はわんわん泣き叫んで、母さんに助けを求めて、俺は母さんからこっぴどく怒られる。
母さんはいつだって、弟に甘かった。
けれど、俺は絶対に、弟を嫌いになることは無かった。
いくら弟に腹を立てても、ムカついても、喧嘩をしても、泣かれても、俺は弟のことを憎むことが出来なかった。
それはやはり、家族、だから。
それに、俺がどんなに弟に乱暴な態度をとっても、弟はいつだって「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と俺の背中を追ってくる。
そして俺が弟に顔を向けると、弟は真ん丸な瞳を細めて、満面な笑みを向けてくる。
その笑顔が可愛くて、愛おしいと思った。
5年生になって、初めて女の子から告白をされたときに、すぐに答えを出すことが出来ずに、少しの期間待ってもらうことにした。
相手の女の子は可愛いし、俺の好きなタイプだったけれど、もし俺が彼女と付き合ったら、弟に構う時間が無くなってしまうかもしれない、という不安が襲った。
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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます!コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます!また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません?弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか?これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年4月10日 17時