STORY 16 ページ19
「弟、こういう人混みあんまり好きじゃなくて。でもチョコバナナとかフランクとか、そういうの好きだから」
及川「……へえ」
及川は少し間を置いてから、驚いたように目を見開いた。
そして、途端に口元を緩めて笑うと、俺の肩を肘でグイグイとつついた。
及川「弟くんのこと、大好きだもんねぇ？」
「はあ！？んなわけねぇだろ！ただ、俺が秋祭りに行ってんのアイツ知ってるから、何も買ってこなかったらギャーギャー文句つけられんの！それが嫌なだけだっつの！」
及川「とか言って、俺は知ってるよ？皇輝が弟くんのことだぁーいすきなこと」
「だーかーらぁぁ！ウゼェ！！そんなんじゃねぇっつの！」
人混みの中で叫んだ俺は、及川の尻をおもいっきり膝で蹴り上げた。
*
「ただいま」
「おかえりー」
帰宅早々、リビングからパジャマ姿の弟が走ってきて玄関で靴を脱ぐ俺の元へ来る。
「ん」と言いながら、屋台で購入した食べ物が入った袋を差し出すと、弟は瞳を輝かせながらそれを受け取った。
「マジで！！」
「誰もお前にお土産なんて言ってねえよ、バァカ」
「え、違うの？」
途端に落胆させて眉を下げる弟。
数秒前までは瞳を輝かせていたくせに、表情がコロコロと変わって反応がおもしろい。
「嘘。仕方ねえからお前に買ってきてやった」
「やった！！」
再び瞳を輝かせながら片手でガッツポーズをする弟の頭を鷲掴みにし、グリグリと頭を押さえつけるように髪の毛を撫で回す。
「お兄ちゃんに何か言うことはぁ？」
「いでッ！あ、…ありがとう！」
「分かればよし」
弟の頭から手を離すと、リビングまで繋がる廊下の上にスポーツバッグを引きずらせながら「腹減ったあー」と言葉を漏らす。
玄関に置き去りにしたいくつもの袋を両腕で抱え込みながら弟はパタパタと走り、俺の背中を見上げながら問いかけた。
「お兄ちゃん、晩ご飯まだ？」
「おー」
「一緒？」
「おー」
適当に弟の問いかけに答えながらリビングに入ると、俺の定位置であるキッチン前のカウンターテーブルに腰をかけた。
ーーーーーー
to be continue…
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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます！コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます！また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません？弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか？これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年4月10日 17時
