STORY 16 ページ14
いちいち皇輝の態度にはムカつくけれど、それでも俺は嬉しかった。
まだ、ここへ来たばかりだけれど、もう楽しくて仕方なかった。
及川「なんか買わないの?」
「んー、帰りになんか買って帰るかな」
及川「え?なんも食べないの?」
「お前が買ったやつ食うわ」
及川「誰もあげるって言ってないんだけど」
皇輝のチームジャージのポケットからはみ出ている長財布を見ては、持ち帰りで買って家でゆっくりと食べるのかな?と思った。
すると、目に飛び込んできたのは、可愛らしい丸文字で大きく描かれた「りんご飴」の屋台。
以前、皇輝にりんご飴を奢ってもらう約束をした屋台を発見した。
皇輝は忘れっぽいため、忘れられないように早めに奢ってもらおうと思い、皇輝のチームジャージの裾を掴み、クイクイと引っ張りながら「こう…」と言った瞬間だった。
「おい!皇輝じゃんかあ!!」
皇輝を名前で呼ぶ声が聞こえ、俺と皇輝、そして俺の隣にいた岩ちゃんは声の主へと顔を向けると、そこには黄色と黒のジャージに身を包んだ集団がいる。
その中の一人が片手を挙げると、彼の周りにいた同じジャージを身に付けた男達も、皇輝の姿を見て目を見開かせた。
片手を挙げた男は重そうなスポーツバッグを揺らしながらこちらへ駆け寄ると、皇輝も「隼人!!」と叫びながら目を丸くする。
「隼人」と呼ばれた彼は皇輝の目の前まで駆け寄ると、何の遠慮もなく皇輝の肩に腕を回す。
皇輝と彼はほとんど身長差が無くて、二人はお互いのことを名前で呼びあっていて、とても仲良さそうに見えた。
「皇輝、お前来てたのかよ!連絡しろよ!」
「まさか隼人達が来てるとは思わねえよ。お前らここから遠くなかったっけ?」
「遠いけど秋祭りだもんよ。そりゃ来るべ」
ばしばしと皇輝の背中を豪快に叩く彼と同じように、皇輝も彼の肩をばしばしと叩いている。
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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます!コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます!また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません?弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか?これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年4月10日 17時