STORY 15 ページ11
【及川side】
俺たち2年生とひとつ年上の3年生で作られた北川第一のバレー部チームは、夏の大会、惜しくも準決勝で敗れてしまった。
あともう少しで優勝に手が届きそうだったのに、勝利の女神は微笑んでくれない。
3年生達はやっぱり悔しさで泣いていたけれど、先輩達はみんな、高校でもバレーをすると言っていた。
中学で叶うことが出来なかった夢を、高校で叶わせるように努力をすると言っていた。
前向きなその発言に、後輩の俺たちもどこか安心した。
俺も相当悔しかったし、俺たち北川第一中学なら優勝すると思っていたのに。
それでも優勝することは出来なくて、3年生達は少し寂しそうな表情を残して部を引退した。
引退した部には俺たち2年生と、1年生だけ。
これから新しいチームを作っていくため、まずは誰が部長になるかで話し合いが行われた。
同学年の部員たちが声を揃えて「及川しかいなくねぇ?」と言ってくれて、あの皇輝もボールを床に弾ませて遊びながら「良いんじゃね」と適当に同意してくれた。
そのことにより俺、及川 徹が新しく北川第一中学男子バレーボール部の部長になり、新しいチームで部活が行われた。
3年生達が引退した部は少し寂しい気もしたけれど、俺たちはどこかのびのびと部活が出来るようになった。
毎日の部活に励み、そろそろ夏の暑さも衰えてきて、涼しい秋の季節がやってきた。
校内の掲示板には、色鮮やかな「秋祭り」と表したポスターが何枚も貼られるようになった。
俺はそのポスターを目にする度に、皇輝と約束をしたことを思い出す。
皇輝は俺を、秋祭りに誘ってくれた。
それは、二人きり、ではないけれど、みんなと秋祭りを行こうという誘いだった。
ある日の部活後。
監督や学校の教師達に内緒で持ってきたゲーム機を使って、俺たち2年生達だけで輪を作り、部室で遊んでいる時だった。
岩泉「皇輝。秋祭り、どうすんだ?」
秋祭りの話題を持ってきたのは、意外に岩ちゃんだった。
皇輝に問いかける岩ちゃんの言葉を聞いて、ゲーム機を持っていた俺の手がピクッと動いて反応を示す。
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磯野(プロフ) - 令恩さん» おはようございます!コメントありがとうございます。こういうお兄ちゃんだったら良いのになあ、という作者の勝手な想像で作りました笑ありがとうございます!また他の作品もお時間がある時に見て頂けましたら幸いです。 (2018年8月13日 9時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
令恩(プロフ) - はぁ…皇輝兄さんイケメン過ぎません?弟想いでちゃんと言う事は言うって素晴らしくないですか?これは及川が惚れるのも分からなくも無いなー (2018年8月13日 4時) (レス) id: 163bbcf1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:磯野 | 作成日時:2018年4月10日 17時