人気１*御幸side* ページ42
(御幸side)
女「ねえ倉持。アンタＡ組の小豆くんと仲良いでしょ？」
倉「んぁ？別に仲良いわけじゃねーけど。どしたよ」
女「小豆くんって彼女いたりする？」
倉「知らねー」
女「嘘つき！絶対知ってるでしょ！ねぇねぇ、御幸くん。どうなの？」
御「え？あー…さあ？」
女「うわ、とぼけてるし」
体育祭が終わってから、俺のクラスの女子達から結構同じ質問をされるようになった。
何度も同じ質問をされると正直面倒くさいもんで、俺と倉持は適当に話を流している。
女「これ、渡しておいてくれない？」
倉「なんだこれ。果たし状？」
女「バッカじゃないの！！いいから中は読まずに渡してちょーだい！」
倉「へーい」
今日もまた、一通の手紙を受け取った。
倉持は受け取ったその手紙を適当に机の中にしまうと、後ろの席に座ってる俺に顔を向けた。
倉「めんどくせぇ…」
手紙を渡してきた女子に聞こえない程度の音量で俺に向けて呟く倉持。
分かる。同意。非常に強い同意を感じる。
直接ご本人に渡せばいいものの、女子ってのは絶対直接渡さないもんなんだよなぁ。
変なの。
机の上に頬杖をつき、さっきからブツブツ呟く倉持の文句に適当に相槌を打っていれば、その話題の男がひょっこりと教室に入ってきた。
『もち〜』
倉「来んな！！！！！」
えーなんでぇ？と呑気な顔で教室に入ってきたのは小豆ゆづる。
体育祭の部活対抗リレー後、一気に女子のハートを掴んでモテ期がやってきた人間。
当の本人は気付いているのか、はたまた気付いていないのか…、まあ気付いていないんだろうな。
ぺったぺったと変な足音を立てながら俺の机に近寄ると、ひょいと机の上に腰を下ろして座った。
『暇』
倉「知るか！！！教室に戻れ、こっち来んな」
『酷くね？御幸、今の聞いた？』
御「ハハッ、とうとう嫌われたな小豆」
『悲しいわー。邪魔者扱いされる俺、可哀想』
倉「オメーがここに来ると女がうるせぇんだよ」
『え、そうなの？なんで？』
…あ、気付いていないっぽい。
小豆はキョロキョロと辺りを見回す。
女子達は突然教室に入ってきた小豆を見ては、コソコソと女子トークを始めたりキャッキャッと喜んだりしている。
『全然うるさくねぇじゃん。普通じゃん』
倉「普通じゃねーっつうの。いいから帰れ」
『ひっでぇー。御幸帰ろ』
御「俺の教室はここです」
『ちぇっ』
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作者名：磯野
| 作成日時：2017年9月5日 23時
