【ダ／イ／ヤ／の／A】今までもこれからも大嫌い！１ (ページ4)

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めんどくさい関係１御幸side ページ4

(御幸side)

倉持って力の加減ってのを知らねえよな。

叩かれた頭を押さえながら、前の席に座る倉持を睨みつける。

何がおもしろいのか分からないが、変な笑い方で楽しそうに笑う倉持に自然と溜め息がこぼれた。

俺をモグラ叩きにするんじゃねぇよ…、と言いかけたその時だった。

教室の後ろ扉から聞こえる、聞き慣れた俺の好きな声。俺の安心する声。今一番聞きたかった声。

声がする方へと顔を向ければ、やっぱりそこにはそいつがいた。

ーーーー小豆ゆづる。

同じ野球部員で、仲間で、俺が密かに…、いや本人にバレてるのか？バレてないか。とりあえず俺が一方的に想いを寄せてる男。

片手をひらひらと泳がせながら、ぺったぺったとおかしな音を立てながら近寄ってくる。

これも小豆の特徴。

靴のかかとを踏んでスリッパ状態にして歩いてるから、変な音がするんだ。…俺が何回注意しても、こいつは絶対に直そうとしない。

小豆は俺の机の横まで歩み寄るも、顔は倉持の方を向けて言った。

『数学のノート貸して』

そう言うも、倉持は小豆の方とは真逆の方を向いている。完全に無視状態。

そう、倉持と小豆は仲があまりよろしくない。

その原因は俺は知らない。まあ、人それぞれ相性が合う合わないがあるから仕方ないとは思うけど。

でも野球をする者同士、仲が悪いままだとチームプレーに支障が出ると思い、俺が何度か話し合いの場を設けた。

が、ダメだった。

だから俺は、コイツらの関係には触れないようにしてる、…つもり。

『倉持ってば。ノート貸せよ』

シカトを決め込む倉持に対し、小豆はしつこく倉持を呼んで話しかける。が、倉持は一向に返事をしない。

ったく…、めんどくせーな。

御「倉持。貸してやれよ」

『そうだよ。小豆さんに貸してやれよ』

俺が小豆の手助けをするように倉持を呼ぶと、チラッと俺に目線を向けた倉持。

が、その後の小豆の一言を聞いては機嫌を更に損ねたように小さく舌打ちをする。

あーもう小豆、余計な一言いらねえってば…。

小豆のことは好きだけど、小豆と倉持の関係は心底めんどくさい。

俺は自分の数学のノートを取り出そうと机の中に両手を突っ込みゴソゴソと漁り出した。