【ダ／イ／ヤ／の／A】今までもこれからも大嫌い！１ (ページ30)

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〝好き〟１倉持side ページ30

(倉持side)

遠くから見ていた。
御幸と小豆がなにやら話している所を。

最初は見て見ぬふりをしようかと思っただけ。
でも俺の勘が、このまま見て見ぬふりをすると危ないと申告した。

二人の傍に近寄れば、御幸と小豆の手が重なり合っているのが一瞬見えた。

そして隠そうと素早く離れる御幸の手。
どこか戸惑っている小豆の表情。

まさかだろ、アイツ…。
もしかして、小豆に告白しやがったのか？

御幸が去ってから小豆の表情を黙って見つめる。

なにか言えよ。なんだよその顔。

なにも言わず俺から目線を逸らす小豆に、徐々に苛立ちが込み上げてくる。

倉「おい」

耐えきれずに俺から投げかけた言葉。
咄嗟に反応するかのように小豆が俺へと目線を上げる。

倉「御幸となにしてたんだよ」

『…別に』

嘘つけ。別に、じゃねぇだろ。

頼むから俺に嘘を付くな。
頼むから真実を俺に教えろ。

もうだいたい察しはついてんだよ。

中庭の雑草を踏みながらゆっくりと小豆に近付けば、再び小豆は目線を俺の靴へと落とした。

倉「別に、じゃねぇだろ。その面は何かあったって面じゃねーか」

『…まあ、なにもないわけじゃねぇけど』

倉「んじゃなんだよ。ハッキリ言えよ。御幸となにがあったって聞いてんだよ」

小豆はまた黙り込む。
そんなに俺に言えねえことかよ。

小さく舌打ちをすると同時に俺の手が自然と小豆の胸ぐらへと伸び、いつの間にか小豆の胸ぐらを掴んで持ち上げていた。

倉「小豆…、言えよ。御幸になに言われたんだ」

『…倉持に、言わなきゃなんねーのかよ』

倉「ったりめーだろ！御幸の事なんだから教えろ！」

吠える俺。胸がザワつく。

本当は聞きたくなかった。
本当は答えて欲しくなかった。
別の答えが欲しかった。

やっぱり俺の勘は、鋭いのかもしれねえ。

『…御幸に、告白されたんだよ』

チクリと俺の心臓に何かが刺さる。
苦しい苦しい苦しい、こんなの嫌だ。

御幸に告白されて、こいつはなんて答えたんだ？
御幸に告白されて、こいつはどんな顔をしたんだ？

問い詰めたい。俺がもっと早くここに来ていれば、きっとコイツと御幸はこんな結果になっていなかったはず。

歯をギリギリと擦り付けて歯軋りをする。

腹立つ…ムカつく…、
イライラが止まんねえ。

倉「んで？おめぇはなんて答えたんだ」

『…無理って言った』

倉「無理？断ったってことか？」

『だって俺、お前が好きだし』

その言葉に再び、チクリと心臓が痛む。

コイツが俺に言う〝好き〟って言葉…、
半信半疑だったが本当なのか…？