【ダ／イ／ヤ／の／A】今までもこれからも大嫌い！１ (ページ23)

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我慢の涙１倉持side ページ23

(倉持side)

気まずい。
なにが気まずいかって、そりゃさっきのアレだよアレ。

……小豆のあの変な声だよ。

まさか体を触っただけで、あんな変な声を出すとは俺も予想外だった。

てか俺ってば、なに小豆の体触ってんだよ。
ついにおかしくなっちまったのか俺…。

額に手を当てて深い溜め息を吐く。
あんなに嫌いで仕方なかった小豆に対して、俺から話しかけて俺から近寄って、まさか体を触るなんて。

何かがおかしい、そう、俺がおかしい。

今日何回目の溜め息を繰り返しただろう。
また深い溜め息を吐いては短い髪を掻き毟った。

頭を冷やそうと、亮さんから教えてもらった自動販売機に歩を進める。

ここの自動販売機は寮生しか使わないため、ほぼ寮生の好きなジュースしか並んでいない。

薄暗い寮の道を歩き、角を曲がれば到着する、とのところで俺は咄嗟に影に隠れた。

そこには小豆と、奥には前園(通称ゾノ)がいた。

何か話してる…、いや、もめている？様子の二人に、俺は耳を傾けて息を止める。

『この前も言ったけど、無理なもんは無理だから』

ゾ「なんでや、小豆。なんで俺じゃアカンのや」

『それ何回目だよ、ゾノ。いい加減にしろよ』

ゾ「だって納得いかんもんは納得いかん！俺のどこがダメなんや！具体的に言ってくれな、分からん！」

小豆の深く長い溜め息が離れている俺のところまで聞こえる。

どうしたんだコイツら。
なんでこんなにもめてんだよ…。

御幸はこの事知ってるのか…？

ひょこっと顔を出して小豆の顔を見ようとするが、どうも小豆の姿は背中しか見ることが出来ない。

逆にゾノの顔は丸見えで、まるで小さい子供を怒鳴り散らすような鬼の形相になっている。

ゾノ…、…顔こえーよ。

『もういいだろ』

半ば呆れたような小豆の声がすれば、その場を立ち去ろうとしているのかこちらに体を向けて歩き出してくる。

ヤベ！こっち来る！

逃げなければと思いあたふたと焦っていれば、ふいにゾノの怒鳴る声が再び聞こえる。

ゾ「嫌や！！逃がさん！！！」

強引に背後から小豆を抱き締めるゾノ。