捌 ページ9
そしてようやくその鬼が姿を現した
その鬼の瞳には 下参 そう刻まれていた
その鬼はすごく動揺していたのだろう
私をみるなりすぐに
「何でバレた」
「今までバレたことなかったのに」
「柱なのか」
「でも見た感じだと柱ではない」
「こんなに若いのに柱になれるはずが」
そんなことをずっとぼそぼそと呟いていた
『安心しろ 私はお前ら鬼に恨みなどは持っていない
人探しのために此処に居るから』
そう言ったら鬼は急に顔持ちを明るくして
「なら私を助けてほしい」
そう言って距離を詰めてきた
反射的に距離を離し
常に隠し持っている
クナイをその鬼に向かって振った
すると鬼はさっきほどまでの明るい表情を急に
暗くして
わたしに向かって技を放ってきた
「何もしなければ命だけは助けてやっていたのに
哀れな馬鹿者だな ただありがたく思いな
何せあの方の直属の部下である私に殺されることを」
そう言って私に向かい様々な技を出してきた
ただ幼少期からずっと生死を懸けた世界に居た私にとって
その攻撃は
弱く見えてしまった
常に相手してもらっていた父のほうが
断然戦えなかった
そのため容易に鬼の攻撃は交わせた
「なんで柱でもない奴にこんな簡単に攻撃を交わされるのよ」
段々と焦り出していく鬼に
『もういいよ 邪魔だから消えてよ？』
そう言って日輪刀を鬼の頸に振った
そのまま鬼は断末魔を上げながら
灰になり消えていった
この場に長いしてもやることはないし
素早く離れようとした時
背後より声をかけられて
立ち止まってしまった
「A よぉ お前なんでなんも云わず何処ほっつき歩いてたんだよ」
まだ考えの整理が出来ていないタイミングで会ってしまった
『何処でもいいでしょ 生きてたんだし 師範』
正直なんて呼ぶべきか悩んでいたが前みたいに呼ぶことにした
「お前今回のが初任務なんか？」
急にそう言ってきた師範
何の意図があるのか分からなかったが
『そうだけど？』
それだけ答えると
「はは… 俺はとんでもねぇ奴拾っちまったって事か」
私がさっき斬った鬼の消えていく体を見て
口元にはよくわからない笑みを浮かべながら私の方を見ながらそう言った
『師範どういう意味ｄ』「お前今までずっとサボっていたから説教タイムだなとっとと帰るぞ」
私に質問をする隙を与えずに
そのまま私は音柱邸まで連行していかれた
途中で合同任務だった竈門といった人が
少し気になったが
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作者名：ワンワン | 作成日時：2021年7月31日 17時
