廿漆 ページ28
何回放ったのかな
覚えていないが今まで以上に
呼吸を連発して
鬼に対しての猛攻を仕掛けた
しかし結果は初めから分かっているように
当たり前の結果になった
鬼の頸を斬り落とす前に体の中にある
毒のせいで体が動きにくくなったのだ
このままだと不味いなそう思いながらも
揺れ動く視界
自分はもうこの場で最期を迎えるんだ
その覚悟を少し固めようとしたとき
何かが此方を見ている気配がした
ただそちらに振り向くが誰も
その場には立っていなかった
炭治郎たちはもう…
そんなことを思っていたら後ろから炭治郎が
起き上がろうとしているのを
目撃した
視界の隅に写った炭治郎の姿がひどく疲弊していたが
折れない気持ちを持っているのか
ゆっくりとだが確実に立ち上がろうとしていた
『炭治郎…無理をするなよ』
どの口が言えるセリフなんだ
そう頭の中で思いながらも
炭治郎の方に言うと
「そういってるAも無理をしているだろ…
それに“もう”誰にも死んでほしくない」
炭治郎のその言葉にすごく共感する気持ちと
だからだよと抗議したい気持ちとが混ざった。
こうなったら誰一人として炭治郎を止めることは出来ない
そういったことを一番理解しているので炭治郎が怪我をしない様に振舞おう
そうすることに決めた
炭治郎が闘いに参戦してくれたおかげで闘いやすくなった
交互に呼吸を使用するようになったので
呼吸を使用するテンポが遅くなった
そのため呼吸は毒の廻りを遅らせるのに
少し使用することが出来た
炭治郎はまだ鬼の毒にはやられていなかった。
そのため私がやるべきことは
炭治郎が毒に当たらないように振る舞いながを
体内を回ろ続ける毒を少しでも
毒の回りを遅くさせてこいつの頸を刎ねること
そうすればきっと誰かが帯の鬼のほうの頸を
刎ねてくれる
師範が簡単に刎ねてたんだ
3人なら刎ねることもできる。
だから今はまだ…
動け
そういって体を奮い闘おうとした。
しかし体の半分以上はすでに毒に侵されており
全くといっていいほど動かなかった。
そんな自分を見逃すことはなく鬼の攻撃は
私のほうに向いてきた。
炭治郎はというと
「A…！ 大丈夫か？」
私に向かってきている攻撃なのに
その間に入り私の攻撃を
代わりに裁いてくれる
申し訳ない気持ちが胸の中を埋め尽くしていた
その時炭治郎の背後に映っていた鬼の動きに
『炭治郎…！』
炭治郎のことを狙って鎌が振るわれていた
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作者名：ワンワン | 作成日時：2021年7月31日 17時
