拾陸 ページ17
藤の花の家紋の家に着くと
師範は
そこの人たちに色々と
指示を出していた
任務の内容はこうだった
夜遊女たちで賑わう街遊郭
その場に鬼が住んでいる
そう噂になった
ただ一般隊士が任務に出ても
鬼はいなかったという
又は帰ってこなかった
そのことでお館様は
十二鬼月の仕業なのかもしれないと思い
柱である師範に今回の任務を任命した
ただ師範が何度“客”として店を訪れても
鬼の姿は見えなかった
だから師範は奥さん方に頼んで
内部からの詮索にでた
しかしここ数日奥さん方3名とは
音信不通になってしまったらしい
遊郭の中に鬼がいるのは確かなようだった
それで奥さん方の安否確認を早急にしたかったのだろう
蝶屋敷の子たちが頭に浮かんだのだろう
そんなことを考えていたら変装をしていた
炭治郎たちが
なんとも言えない姿で帰ってきた
頭を抱えてしまった私と裏腹に
完璧だと思っている師範の
様子は無視してメイクをやり直してあげた
それぞれ店先が決まった
炭治郎は須磨さんが働いていた「ときと屋」
伊之助はまきをさんが働いていた「萩本屋」
善逸は雛鶴さんが働いていた「京極屋」
そして私は新たにできた「大杉屋」に決まった
「こんな可愛らしくて何でも出来る子が来てくれたならうちも
鯉夏花魁や蕨姫花魁達と並ぶ花魁になってくれるはずだわ」
何でも出来る……か
琴とかは子供のころからの
厳しく決められた英才教育のせい
顔立が奇麗なのも子供のころから強制させられたせい
全部村で生き残るために必要だった物
殺されないために必要だったもの
だからこれらの反応は正しかった
任務はしかっりと成し遂げよう
今度こそ
誰も失わないように
何も失わないように
37人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ワンワン | 作成日時:2021年7月31日 17時