第5話 ページ7
夢主side
「…ｯ」
ニジさんの言葉に、使用人の女性は肩を跳ねさせた
『…？』
「お前新人だっけ？」
「は…はい。先月から…」
凄い…
先月からもう王族の使用人を勤めてるなんて…
«本当、貴方には心底呆れたわ»
私には絶対に務まらない
「はっ、なっさけねぇな」
「も、申し訳ありません…！」
«情けない…稼ぎもまともにできないのか»
「先月からここにいて満足に案内もできねぇとはな」
「申し訳ありません…！次こそは必ず…っ」
«次は…！次こそはちゃんと…っ！»
「お前さ」
『……がう』
«はぁ…もういい、下がれ»
«お前は本当…»
『ちが…違う…やめて…』
«「出来損ないだ『違う！！勝手決めつけないで！！』
「…あ？」
『…ｯはぁ…はぁ…』
「……A」
突然名前を呼ばれ、肩を跳ねさせ我に返ると、私の名を呼んだ声の主はイチジさんだった
『…え？』
イチジさんの顔を見ると、イチジさんは私の顔を見ずに顎で目の前を指した
指した方に顔を向けると、ただならぬ不穏な空気が漂っていた
ニジさんは眉を顰め、ヨンジさんとレイジュさんは少し驚いた顔をしてこちらを見つめていた
ジャッジ様も黙って私を見つめている
私…今何を…
ジャッジ様は私を見つめたまま口角を上げ、不敵な笑みを浮かべた
『…？』
「…いや、流石だ。やはり君にヴィンスモーク家を嫁いでもらうのは間違ってはいないらしい」
『…え？』
「改めてどうだ？イチジ」
「…嫁になるには充分かと」
『……え？』
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作者名：ｍａｍｉ | 作成日時：2020年9月19日 4時
