どうかその笑顔が絶え間なくありますように (ページ49)

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第47笑ページ49

そして現在

夢主side

「早く言えよ」

『ニ…、ニ……ジ…』

「言うのが遅ぇ、やり直し」

そう、名前を呼ぶのに苦戦したのがニジさんだ

ヴィンスモーク家に嫁ぎに来て一緒にいる時間が長い分、彼を目の前にして名前を言うとなると、どうも恥ずかしさが上回って言葉を詰まらせてしまう

がしかし、今はそれだけが理由ではない

『あの…せめてこの体勢で言わせるの止めませんか…？』

先程まで出窓の縁に腰かけていたのに、何故かニジさんはソファーに座る私の膝の上に頭を乗せて寝転び、恥ずかしがると分かっていたのか私の後頭部を右手で押さえ付けて顔を逸らせないようにしている

挙句の果てに寝心地が悪いと文句まで言って来たのだ

「何だよ、いっちょ前に照れてんのか？」

『言ったじゃないですか、男の人に免疫が無いって…』

寧ろ彼はそれを知っててこの体勢にしている

意地悪な笑みを浮かべているのが良い証拠だ

「そんなに言えないなら手伝ってやろうか？」

『…？手伝うって…』

どうするんですか？と言う前に、彼は後頭部を押さえ付けていた手を離し、私の首元に手を這わせた

次の瞬間、普段の彼からは想像もつかない声が出た

「…『ニジ』、『ニジ』」

『…！！？』

でもそれは、録音した女性の声でも、機械的に似せた声でも無い

紛れもない私の声

「…は、ガキくさい声だな」

『い…今のって』

ニジさんを凝視しながら驚きを隠せずにいると、一瞬悩んだ感じはしたけれど、彼は口を開いた

「…まぁ良いか。模写声帯。対象者の喉に触れる事で声を奪える。が、1度声帯を盗めば覚えられるからな、盗んじまえばいつでも自在に操れる」

『それも…例の実験で？』

「まぁな」

『……』

嗚呼ジャッジ様貴方は

子供達にあんな人間離れした能力を持たせて尚、まだ勝利の為に実験を行うんですね