どうかその笑顔が絶え間なくありますように (ページ12)

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第10話ページ12

夢主side

『……ん？』

今なんて…？

「イチジかニジ、どちらかの妻になってもらいたいのだ」

状況が飲み込めない

嫁いで来たのだから、誰かしらの妻になるのは分かっていた

でも2人のうちどちらか1人なんて今まで聞いた事がない

『えっと…お2人はそれを了承してるのですか？』

「ああ」

「まぁな」

あまりにも平然としながら答える2人に、私は戸惑いと焦りが止まらない

「まぁ驚くのも無理は無い。だが、君の国と我が国は昔から交流もあり、特に君は息子達とも仲が良い」

『それで私を』

「本当は、Aちゃんのお姉さんにも縁談の話は行く予定だったのよ」

『え…？』

姉の話題が出た途端、息がつまるかと思った

姉がその縁談を断ったから、私に嫁ぎに来ないかという話が来たのだろうか

だとすれば、私は姉の代わりにここへ来たという事になる

嗚呼、やっぱり私は

姉の＜代わり＞

「ニジが嫌がったのよ」

『…え？』

「ニジは昔からAの姉が嫌いだからな」

レイジュさんとヨンジさんの言葉に、私は驚きを隠せなかった

姉は昔からニジさんの事がお気に入りだった

人付き合いも上手で、人望も厚い。会って間もないヴィンスモーク家の人達ともすぐに打ち解けた。それはイチジさん達も同じ筈

好かれているものだとばかり思っていたけど…

「あんな奴と結婚するぐらいなら、Aの方がマシだ」

あ、そういう…

「という訳で、Aの縁談相手が2人に増えたわけだ」

「さぁ、どちらでも構わない。好きな方を選んでくれ」