君に逢いたかった【名前変換】―Part.7― (ページ36)

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■Story 336 ページ36

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あ「今日は、冷やし中華にしようかなぁ。」

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冷蔵庫が空っぽで近くのお店で

野菜やお肉を買ってその帰り。

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あ「あれ……?」

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通り過ぎようとした公園のベンチに

いつか会った綺麗な女の人が座っていた。

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あ「あのこの前は……」

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近づくとその人が涙を流していることが分かった。

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「あら……この前の……」

あ「大丈夫ですか?」

「優しいのね。」

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涙を手の甲で拭きながら笑顔を見せるその人。

私が差し出したハンカチを「ありがとう」と言って受け取った。

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「それ夜ご飯の材料?」

あ「あ、そうです。」

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「偉いわね、お買い物のお手伝いだなんて。」

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あ「あ、いや…私、全部自分でやらないとダメなんですよ。

お父さんもお母さんも死んじゃって………一人なんです。」

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「何かごめんなさいね。」

あ「いや、そんなこと………」

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その人は私の手を優しく握ってきた。

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「あなた、いいお父さんとお母さんに育てられたのね。

赤の他人だけどわかるわ、いいご家庭で育ったこと……」

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私の手を握りしめる力が強くなったかと思えば、

その人の瞳から涙が再び零れ、それが私の手の甲に落ちた。

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「私もそういう家族、目指してたんだけどね……」

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